日経メディカルのロゴ画像

日本心血管インターベンション学会パネルディスカッション報告
医療事故調、主役は厚労省ではない。医療界の覚悟こそが問われている

2008/07/17

 先週金曜日の4日に名古屋市で開かれた日本心血管インターベンション学会の「変革期を迎える医療安全への対応-崩壊が進む医療の中でいま何が出来るかを考える-」というパネルディスカッションにお招きいただいた。発表者は全部で7人。

 せっかくの機会なので少々物議を醸すであろう発表をさせていただいたのだが、他の先生方の発表がまた素晴らしく、何も報告しないで埋もれさせるのは勿体ないと思うようになった。

 そこで上下の二回に分けてご報告する。当日は全員、丁寧語で話していたのだが、記録の都合上、語尾の丁寧語は省く。当事者として突き放して見ることもできないので注釈も加えない。

※日経メディカルオンラインでは、上・下をつないで1本の記事にしてあります。

 まずは、いわゆる医療事故調の問題について話した前半3人分。それぞれ、あまり今までに聞いたことのないような話だと思う。先頭バッターが私である。

 「4年ほど前まで朝日新聞の記者をしていた。独立して現在は、『ロハス・メディカル』を毎月発行している。webメディアと勘違いしている方が時折いるが、webやブログは、あくまでも雑誌の宣伝のために片手間にやっていることで、紙が本業。

 紙が本業である証拠に、検討会を全回傍聴してブログやメルマガで報告しても、その間ずっと前田座長からは『インターネットに書かれちゃう』としか言ってもらえなかった。でも、雑誌本体に医療事故調のことを載せた時には、検討会の最終回で『ロハス何とかに、とんでもないことが書いてある云々』と言及してもらえた。

 さて、本論。いわゆる医療事故調をつくるという話で、厚生労働省はしくじった。

 1年間に13回の密度で検討会を開き、何回も試案を出し直して、それでも法成立のメドが立っていない。民主党からも対案が出てくることが決まっていて、参院で与党は少数派なので、秋の臨時国会でも厚労省案が国会を通らないことは確定している。

 なぜ、こんなことになっちゃったかと言えば、一義的には厚労省が、司法という自分たちの権限が及ばない領域のことであるにも関わらず、必要な手順を尽くさず乱暴極まりない進行をしたから。

 が、1年間追いかけているうちに、厚労省だけが悪いんじゃないな、ここで厚労省の悪口を言っているだけだと、きっとまた同じような問題が起きるな、と思うようになった。今日はそのことについて、皆さんの耳に痛いことも申し上げたい。

 そもそも、事故調をつくるという話は、最初に厚労省から出てきたわけではないと思う。

 都立広尾病院事件で、医師法21条がそんなことになるなんて、と驚いた医療界が診療関連死の届出先を警察以外のところにしようということで厚労省を巻き込んでモデル事業を始めたんだけれど、その年度中に福島県立大野病院事件が発生してしまって、とにかく警察・検察の医療への介入を止めなきゃいけない、と。

この記事を読んでいる人におすすめ