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『安心と希望の医療確保ビジョン』第10回会議傍聴記
厚労省の中で何かが起きている
川口恭(ロハス・メディカル発行人)

2008/06/19

 ビジョンの中身は、マスメディアでもある程度報じられると思うし、詳しく知りたければ、厚労省サイトを見ていただきたい。

 今回、私が気づいたのは、厚労省の中で何か暗闘が起きているに違いないということだ。

 まず今回18日午後5時から開催されると厚労省のサイトに表示されたのが開始23時間前。記者クラブ所属でないと開催案内が出てからファクスで申し込まねば傍聴できないので、ハッキリ言ってフザけている。

 記者クラブには、もっと早く案内されているし、いつもギリギリに案内の出る中医協でも3日前には案内される。なぜ、そこまで遅らせる必要があったのか。今回は、たまたま昨日のうちに気づいたから良かったけれど危ないところだった。

 さらに18日の午前中に厚労省の事務方が会見を開き、ビジョンの中身を記者クラブに対して説明したらしい。夕方6時からのニュースに間に合わせるために解禁時間つきという位置づけだったらしいが、大臣が会議の終了を急いで、ニュースに間に合う時間に会議参加者による会見を設定してしまった。この程度のことで事務方と大臣が重ねて会見するなんて聞いたことがない。

 結果的に事務方の会見は見事に上書きされて、事務方にとってもメディアにとっても時間のムダになった。事務方の会見のことを大臣が事前に了承していたなら辻褄が合わない。

 そして、以下の傍聴記の舛添厚生労働大臣の発言の中に「厚生労働省の改革」という言葉が、妙に気になる文脈で2回出てくる。さあ、それではいよいよ会議のご報告に入ろう。

 あんなに開催案内が遅かったにもかかわらず、8割方席が埋まっている。その代わり、先日まではぎっしり席を埋めて傍聴していた厚労省の中堅幹部たちが8人しかいない。午前中に会見しちゃったぐらいだから、ビジョン案に手を加えられることはあり得ないのだろう。若干セレモニー感は漂うが、後になって「あの時の発言がそんなことになったかぁ。しまったぁ」とならないよう、各人の発言を拾ってみる。

舛添
「お手元に案が示されている。最終的にまとめができると思う。アドバイザリーボードの皆様、陳述してくださったりお邪魔したりした皆様に感謝したい。この会議と並行して骨太の方針の策定が進んでおり、来年度予算を方向づけるものになる。

 ここ数日は、その件についての大臣折衝や総理との話し合いをしておったが、最終形でない素案段階ではあるが、ムダを排すこと政策の棚卸をすることで財源を生み出すと共に、社会保障についてどうしても必要な財源は別に確保すると書きこまれることで決着しそうだ。

 そういった流れの中で今後の医療について、このビジョンが方向づけできると確信している。今日は、この最終案について意見を伺って、そのうえで世に問い、予算の裏付けを得て政策化したい」

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