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孤軍奮闘、厚労省の血液事業審議会に参加して
下平滋隆(信州大学先端細胞治療センター)

2008/04/22

しもだいら しげたか氏○1990年信州大学医学部医学科卒業。2008年信州大学医学部附属病院輸血部准教授、先端細胞治療センター副センター長。輸血・細胞治療、再生療法の開発研究に従事。

 厚生労働省の審議会は4月8日、輸血用血液製剤不活化技術に関するヒアリングを行いました。当初は不活化技術を有するメーカーによる非公開での開催予定でしたが、前半部が公開ヒアリングとなり、小職が参考人として招かれました。30分間のプレゼンテーションと、その後、質疑応答が約1時間でした。

 ご想像いただきたいのですが、17名からなる委員、厚生労働省、日本赤十字社に対峙するたった1人の参考人という配置で、さながら裁判所の判事と証言者のような光景だったわけです。以下に少しだけ日経BPの橋本記者の記事を引用致します。

「下平副センター長の提案も、海外の状況などに基づき、不活化技術の導入を前向きに検討するよう求めたもので、至極まっとうだと思って聞いていたのですが、委員会の委員にはそうは聞こえなかったようです。もちろん、中には下平副センター長の提案に賛意を示す人もいましたが、全般的には提案に疑問を示す発言が目立ちました。それも、揚げ足を取るような質問が多く、ある委員が『不活化技術を推進するメーカーとの関係なく、ニュートラルな立場で発言しているのか』質問した時には、傍聴席に失笑が起こりました。ある委員は、『遺伝子核酸増幅検査(NAT)の導入など、安全対策は進んでいるのに、なぜ今、不活化技術の導入を言うのか』質問していました。確かに今、現時点で感染リスクはかなり抑えられているとしても、新型インフルエンザなどの新興感染症のことを考えれば、先手を打って技術を導入できるようにしておくのは重要だと思います。いずれにせよ、新しい技術の登場に対して、どのように使っていくのが有効かを検討するのがこの委員会の役割だと思っていたのですが、実態は『下平副センター長の提案を審査する会』でもいった印象でした。恐らく傍聴席にいた多くの人が同じような印象を抱いたに違いありません。」

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