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『安心と希望の医療確保ビジョン』第5回会議傍聴記
幹部官僚たちの前で舛添爆弾炸裂
川口恭(ロハス・メディカル発行人)

2008/03/27

 この日の趣旨は、「医師でない医療者からのヒアリング」だそうだ。陳述したのは歯科医師を代表して田上順次・東京医科歯科大歯学部長、看護師を代表して坂本すが・東京医療保健大教授、助産師を代表して堀内成子・聖路加看護大教授。いつもと違って事務局以外にも厚生労働省関係各局の恐らく課長クラスと思われる面々がズラっと並んで聞いていた。年度末で忙しいはずだから、聞くようにお達しが出たのだろう。たしかに聞いておかないと、後でビックリすることになる。

 私は私で淡々と報告をしよう。陳述後の討論が非常に白熱して面白かったのだが、順序通りに報告しないと訳分からなくなるし、もちろん陳述も面白かったので、前篇として陳述部分をご紹介し、討論部は後篇に回す。

 ※NMオンライン上では、前篇と後篇をつなげて1本の記事にしてあります。

田上
「歯科医療の目標とは『食べる』『話す』という人間の根源的な機能を司どる器官である歯と口腔を生涯健康に保つことである。しかしながら、8020キャンペーンというものがあるけれど現実は8010である。20本の歯があれば比較的な健康な生活が送れるのだが、そうなっていない。では、なぜ歯が失われるのかというと、虫歯と歯周病の二大疾患がほとんどである。言葉を換えると、虫歯と歯周病とを予防すれば歯はなくならない。とはいうものの、これらは国民病とも言うべきものであり、多くの方が罹患している。病源菌はハッキリしており、しかも感染したから即発病ということではなく生活習慣との連関で発症に至る。その意味で予防法は確立されており、しかも簡単である。では、なぜできないのか、ということを考えてみたい。

 端的に言うと、歯に対する関心が低いからである。年齢階級別の歯科受療率を示す。一番のピークは5~9歳のところにある。これは虫歯ができて親に行かされるものだ。しかし、その後ガクンと下がって、第二のピークは65~69の所に現れる。それまでの間、症状なく徐々に進んでいたものが、もうダメになって仕方なく来るという人たちだ。そして、その後、健康寿命を超えた人々の受療率は落ちていく。

 次に歯科受診率の日米比較を示す。どの年代においても差が大きく若年層ではダブルスコア。米国では、定期的なケアとして通う人が多いのに対して、日本では悪くならないと受診しない。

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