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第6章●腹腔内感染症の初期治療
日本だけが叫ぶ「胆汁移行性」はホントに“実在”するのか?
<OPARTS:議論テーマ>6-2 市中発症急性胆管炎

2009/11/24
大曲 貴夫=静岡がんセンター感染症科

 市中発症の急性胆管炎の初期治療は、肺炎と同様に、重症度によって抗菌薬の処方を変えるべきだと私は考えています。ただ、実際の診療で難しいのは、「重症度判定やそれに基づく治療の流れをどう判断するか」ではないでしょうか。個人的には、抗菌薬の選択より難しいと考えています。

 そこで、皆さんには、市中発症の急性胆管炎に関する実際のマネジメントについて、広くご意見を伺いたいと思います。本マニュアルで指摘していない重要な点などに関して、是非お寄せください。

 また、重症度だけでなく、投与期間の設定についても諸説あります。「血液培養の陰性例では短期間で」「血液培養の陽性例では14日間程度で」としていることが多いようですが、これについてもご意見は様々です。実のところ、患者さんによって細かい臨床症状や血液培養の結果などが異なるため、「一概に言えない」のです。そのため、マニュアルでどう記載したらよいかが難しく、非常にもどかしく思っています。

 例えば「血液培養陽性例では、肝膿瘍合併のリスクもあるので抗菌薬の使用期間は14日間にしたほうがよい」などの意見がありますが、皆さんはどうお考えでしょうか? なかなかまとまらないかもしれませんが、ある程度のコンセンサスを得たいと思いますので、多くの先生方にご意見を聞いてみたいです。

 ちなみに、重症度について本マニュアルでは示していませんが、私が準じているのは下記に示した「急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン」です。

重 症:敗血症による全身症状をきたし、直ちに緊急胆道ドレナージを施行しなければ生命に危機を及ぼす胆管炎

中等症:全員の臓器不全には陥っていないが、その危険性があり、すみやかに胆道ドレナージをする必要のある胆管炎

軽 症:胆管炎を保存的治療でき、待機的に成因検索とその治療(内視鏡的処置、手術)を行える胆管炎

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