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5月2~8日の話題になった論文
イベルメクチンの論文が再度注目を集める
危険な糖尿病網膜症の識別にシスタチンCが役立つ

2022/05/17

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 5月2~8日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の論文「Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covid-19」(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]患者に早期投与したイベルメクチンの有効性)の2万7900件だった。この論文は先に電子版で公開された時も2万3191件のツイートを集めていた。5月5日号の雑誌に収録された段階で、再び注目を集めたことになる。内容はブラジルのMinas Gerais州で行われ、COVID-19の治療薬候補を複数検討した臨床試験で、候補の1つであるイベルメクチンのデータをまとめたものだ。

 イベルメクチンの試験は、2021年3月23日~8月6日に募集した患者に対して行われた。組み入れ対象は、年齢18歳以上の外来クリニックを受診したCOVID-19患者で、発症から7日以内の人。COVID-19が重症化する危険因子(年齢50歳以上、高血圧、糖尿病、肥満、慢性腎疾患など)が少なくとも1つあることを条件とした。ワクチンの接種を受けたことがある患者も参加可能とした。イベルメクチンに割り付けられた患者は、体重1kg当たり400μgの用量を1日1回3日間服用した。主要評価項目は割り付けから28日後までのCOVID-19による入院と救急受診とした。

 1358人の患者をイベルメクチン群とプラセボ群に679人ずつランダムに割り付けた。年齢は中央値で49歳(四分位範囲38~57歳)、58.2%が女性患者だった。入院または救急受診した患者は、イベルメクチン群100人(14.7%)、プラセボ群111人(16.3%)、相対リスクは0.90(95%信頼区間0.70-1.16)で、両群の差は有意ではなかった。わが国で疥癬治療に承認されているイベルメクチンの用量は体重1kg当たり200μgなので、倍の用量を投与しても入院患者を減らす効果は得られなかったことになる。

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