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7月12~18日の「話題になった論文」
スペインでSARS-CoV-2ワクチン接種後の皮膚反応405症例を分析

2021/07/27

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 7月12~18日に最もツイート数が多かったのは、Pfizer/BioNTechのSARS-CoV-2ワクチンBNT162b2を、日本の中学生に該当する年齢の12~15歳を対象に21日間隔で2回接種した臨床試験の論文「Safety, Immunogenicity, and Efficacy of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Adolescents」で7338件だった。この論文は5月末にNEJM誌の電子版で公開されたため、既に日経メディカルOnlineでも紹介している(ファイザーのワクチンBNT162b2は12~15歳にも有効)。

 この臨床試験では、接種前の検査で無症候性感染経験者と推定された例を除く1983人を対象にワクチンの有効性を評価しており、カットオフ日の段階で2回目の接種から7日後以降にCOVID-19を発症した小児は、プラセボ群16人に対してワクチン群は1人もいなかったため、有効性を100%(95%信頼区間75.3-100%)と推定している。

 今回注目した論文は、皮膚科分野で最もツイート数が多かった「Cutaneous reactions after SARS‐COV‐2 vaccination: A cross‐sectional Spanish nationwide study of 405 cases」(SARS-CoV-2ワクチン接種後の皮膚反応:スペインの横断研究)だ。この研究では、2021年2月16日から5月15日までに、スペインの公的病院31施設と私立のクリニックから報告されたワクチン接種後に皮膚反応を起こした405症例を集めて分析している。

 患者数は391人で、患者の平均年齢は50.7歳(標準偏差17.6歳)、80.2%が女性だった。使用したワクチンはPfizer/BioNTechのBNT162b2が163人(40.2%)、ModernaのmRNA-1273が147人(36.3%)、AstraZenecaのAZD1222が95人(23.5%)だった。なお、この期間にはAZD1222の2回目の接種はまだ行われていない。2種類のmRNAワクチンでは、165例が1回目の接種後に、145例が2回目の接種後に皮膚反応が起こっている。発症時間は平均で接種後5.1日(標準偏差4.4日)、症状の持続期間は平均値で12.2日(13.1日)だった。

 405例のうち、皮膚反応が接種部位に限局していたのは131例(32.3%)で、138例(34.1%)は周辺部位に、136例(33.5%)は全身的な皮膚反応が起きた。このうち臨床画像を集めることができたのは293例で、50例には皮膚生検が実施されていた。主な皮膚反応のパターンは6種類に分類できた。第1はCOVID-ARMと呼ばれるようになった接種部位の紅斑や腫脹で32.1%、第2は蕁麻疹または血管浮腫で14.6%、第3は麻疹用の発疹8.9%、第4は水疱性丘疹または偽水疱性丘疹6.4%、第5はバラ色粃糠疹様4.9%、第6は紫斑皮疹4.0%だった。このほかに水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化と思われる症例が10.1%と、単純ヘルペスウイルスによると思われる症例が3.7%あった。

 治療が必要と考えられた患者は328例(81%)で、主に局所用ステロイド、アセトアミノフェン、経口抗ヒスタミン薬などが使われていた。死亡例は報告されなかった。

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