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6月28日~7月4日の「話題になった論文」
外科系レジデントの「やる気」を調べた全米規模の調査

2021/07/13

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 6月28日~7月4日に最もツイート数が多かったのは、米国疾病予防管理センター(CDC)の研究者が報告したNEJM誌の論文「Prevention and Attenuation of Covid-19 with the BNT162b2 and mRNA-1273 Vaccines」で、6103件だった。2020年12月14日~2021年4月10日までに、Pfizer/BioNTechのBNT162b2ワクチンやModernaのmRNA-1273の先行接種を受けた医療従事者やエッセンシャルワーカー3975人を対象にしたコホート研究で、参加者は毎週RT-PCR検査を受け、接種後の感染予防効果を調べたものだ。

 その結果、SARS-CoV-2陽性と判定されたのは204人で、内訳は、接種完了者(2回目の接種から14日後以降)が5人、部分接種者(1回目接種から14日以上経過しているが、2回目から14日経過していない)が11人、状態不確定(1回目接種から14日以内)が32人、接種を受けていない人が156人だった。ワクチンの有効性は接種完了者が91%、部分接種者で81%としている。また、ワクチン接種者はSARS-CoV-2に感染しても、ウイルス量が少なく、発熱リスクは低く、回復が早いと報告している。

 今回注目した論文は、外科分野で最もツイート数が多かった「National Evaluation of Surgical Resident Grit and the Association With Wellness Outcomes」(外科レジデントのGrit[気概や根性]と健康状態との関連性に関する全米規模の調査)だ。Gritとは、長期的な目標に対する忍耐力や情熱と定義されている。この研究では、米国で研修中の外科のレジデント7464人を対象に、2018年の「American Board of Surgery In-Training Examination」試験に合わせて、横断的な調査研究を実施した。レジデントのGritは、8項目のShort Grit Scaleを用いてスコア化した。各項目は「1点:全く当てはまらない」から「5点:極めて当てはまる」で自己採点した。

 その結果、Gritスコアが高いレジデントは、燃え尽き(調整オッズ比0.53:95%信頼区間0.48-0.59)、離職する考え(同0.61:0.55-0.67)、自殺の考え(同0.58:0.47-0.71)などのリスクが低く、研修に対するモチベーションが維持されている傾向が示唆された。ただし、Gritスコアと「American Board of Surgery In-Training Examination」試験の成績には必ずしも関連が見られなかったため、研修医を選抜するためのスクリーニング手段として有望かどうかは不明だとしている。

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