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6月14~20日の「話題になった論文」
新型コロナワクチン接種後も懸念すべき変異株(VOC)は感染しやすいか?

2021/06/29

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 6月14~20日に最もツイート数が多かったのは、Nature Medicine誌の論文「Evidence for increased breakthrough rates of SARS-CoV-2 variants of concern in BNT162b2-mRNA-vaccinated individuals」(BNT162b2ワクチン接種者の懸念される変異株[VOC ; Variant of Concern]によるブレイクスルー感染のエビデンス)で2135件だった。これはイスラエルで行われたマッチドコホート研究で、VOCに対するワクチンの有効性が従来の株より低い場合、そのVOCによる感染割合がワクチン未接種の対照者よりも高くなるはずだという仮説を検討した論文だ。

 ファイザーとビオンテックのワクチンBNT162b2を接種した後に、SARS-CoV-2陽性と判定された患者と、年齢・性別・人種などをマッチさせた対照群の陽性判定者のウイルスRNAの塩基配列を調べ、B.1.1.7系(英国で見つかったアルファ株)とB.1.351系(南アフリカで見つかったベータ株)の割合を調べている。その結果、2回目のワクチン接種から7日後以降に陽性と判定されたワクチン接種者では、対照群よりB.1.351系による感染割合が高く、1回目の接種後2週間から2回目の接種後6日までの期間に陽性と判定されたワクチン接種者では、対照群よりB.1.1.7系による感染の割合が高かったという。ただし、この研究を行っている期間には、イスラエルでも既に従来株ではなくB.1.1.7系が優勢になっており、ワクチン群と対照群の差はわずかだった。

 次にツイート数が多かったのは、JAMA Pediatricsに紹介された小児科領域の論文「Association Between Childhood Consumption of Ultraprocessed Food and Adiposity Trajectories in the Avon Longitudinal Study of Parents and Children Birth Cohort」(小児期の超加工食品の消費量は成人期の脂肪組成に影響を与えるか?)で326件だった。この論文では、1991年と92年に英国南西部のAvon郡で生まれた子どもと両親の健康を長期追跡したバースコホート研究「Avon Longitudinal Study of Parents and Children」のデータを利用している。7歳の時点で食生活調査を行い、食事に含まれる超加工食品(生の食材を家庭で調理した場合には含まれない化学調味料、着色料、合成甘味料、保存料などを含む食品)の割合を調べて5分位群に分類し、24歳になるまで追跡して、BMI、体脂肪指数、体重、ウエスト周囲径を比較したものだ。ベースラインの食事内容に占める超加工食品の割合は、最低5分位群が23.2%だったのに対して、最高5分位群では67.8%を占めていた。最低5分位群に比べると最高5分位群では、BMIが毎年0.06(95%信頼区間0.04-0.08)余分に増えており、ウエスト周囲径は毎年0.17cm余分に増えていた。著者らは、成人肥満を減らすには小児期から超加工食品の摂取量を抑えるのが喫緊の課題だとしている。

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