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6月7~13日の「話題になった論文」
ワクチン接種後の血栓症にはヘパリン以外の抗凝固薬と免疫グロブリンを

2021/06/22

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 6月7~13日に最もツイート数が多かった論文は、前回に続き、AstraZeneca社製のワクチンChAdOx1 nCov-19接種を受けた後に血栓症と血小板減少症を起こした患者23人について調べた論文で、NEJM誌の「Pathologic Antibodies to Platelet Factor 4 after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination」(2964件)だった。23人中22人は、血小板第4因子に対する抗体検査が陽性を示しており、陰性は1人だけだった。著者らは、こうした特徴を示した患者には、血小板輸血を避け、ヘパリン系以外の抗凝固薬と免疫グロブリンの投与を提案している。

 今回注目したの論文は、臨床検査分野で最もツイート数が多かった「Plasma levels do not predict thrombin generation in patients taking direct oral anticoagulants」(直接経口抗凝固薬[DOAC]を服用している患者の薬の血漿濃度はトロンビン生成能力を予測しない)だ。DOACはワルファリンと違って頻回の血中濃度モニターを必要としない点が使いやすいと評価されている。この研究では、4種類のDOAC(アピキサバン、エドキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン)それぞれについて、新たに抗凝固療法を開始する患者20人の血液を採取して、治療開始前、血漿濃度ピーク時、6時間後、12時間後の薬物濃度を測定し、併せてトロンビン生成能を評価している。その結果、トロンビン生成能はDOACの薬物血中濃度と直線的な用量反応関係を示さず、むしろDOACの濃度が下がった時に最大の抗血栓効果を示したという。著者らは、抗凝固療法を受けている患者が腎不全になった場合や、手術を受ける場合など、抗血栓効果を評価するにはDOACの薬物濃度よりはトロンビン生成能の方がマーカーとして優れているかもしれないとしている。

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