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5月17~23日の「話題になった論文」
AstraZeneca社のワクチンはB.1.351変異株には有効性が低い

2021/06/01

 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。

 5月17~23日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の「Efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant」で1万5051件だった。これはAstraZeneca社製のSARS-CoV-2ワクチンChAdOx1 nCov-19が、南アフリカ共和国から報告されたB.1.351変異株に有効かどうかを調べた臨床試験の報告だ。南アフリカで、HIVに感染していない18~65歳未満の成人を対象に、ワクチンとプラセボを21~35日間隔で2回接種して、COVID-19発症予防効果を検討した。その結果、プラセボ群の717人中23人とワクチン群の750人中19人がCOVID-19を発症し、有効率は21.9%(95%信頼区間-49.9から56.8%)となった。なお、発症した42人中39人(95.1%)は、塩基配列を調べたところB.1.351変異株だった。

 今回は耳鼻咽喉科領域の論文に注目した。アデノイド口蓋扁桃摘出術を受ける小児104人(年齢は中央値で5歳)に対して、麻酔から覚醒後の疼痛とせん妄を予防する方法を検討したものだ。ランダム割り付けで比較したのは、麻酔導入後にイヤホンで音楽を聴かせるグループ、イヤホンでノイズを流すグループ、耳栓で環境ノイズを遮断したグループ、何もしない対照群だ。その結果、対照群に比べ、術後疼痛を予防する効果は音楽群が大きく、覚醒時せん妄を予防する効果はノイズ群が大きかったという。耳栓の効果は小さかったそうだ。この研究はアデノイド口蓋扁桃摘出術を対象にしたが、他の手術でも同様の効果が得られるのかどうか、今後の研究に期待したい。

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