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NEJM誌から
デュピルマブは6~11歳の喘息患者にも有効
中等症から重症の小児を対象にした第3相臨床試験

 米国Vanderbilt大学医療センターのLeonard B. Bacharier氏らは、既に成人と12歳以上の喘息に対して承認されているデュピルマブを、6~11歳の中等症から重症で標準的な治療ではコントロール不良の喘息患者に投与する第3相臨床試験を行い、デュピルマブは入院が必要な増悪頻度を減らし、症状のコントロールを改善したと報告した。結果はNEJM誌2021年12月9日号に掲載された。

 小児期の重度の喘息は、本人のQOLを妨げ、介護者の負担が大きく、通学機会を減らすだけでなく、肺の正常な発達が阻害されて、成人後に慢性閉塞性肺疾患を発症するリスクが上昇する場合もある。小児の喘息には主に2型炎症反応が関与しており、インターロイキン(IL)-4やIL-5、IL-13の放出が認められる。それらは好酸球の活性化とIgEの産生を引き起こす。また、呼気一酸化窒素(FeNO)濃度の上昇と粘液分泌も促すことが知られている。

 ヒト型モノクローナル抗体のデュピルマブは、IL-4とIL-13のシグナル伝達を阻害する。既に成人と思春期の喘息に対して承認されており、アトピー性皮膚炎など2型炎症反応が関与している他の疾患の治療にも用いられている。そこで著者らは、年齢が6~11歳で、標準的な治療ではコントロールが難しい中等症から重症の喘息患者にデュピルマブを投与する第3相臨床試験Liberty Asthma VOYAGEを計画した。

 この試験の対象者は、Global Initiative for Asthma(GINA)ガイドラインに従って中等症から重症と診断された6~11歳の喘息患者。少なくとも3カ月の病歴があり、中用量の吸入ステロイド(ICS)と第2の管理薬を併用、高用量のICS単独、または高用量のICSと第2の管理薬による治療を1カ月以上継続している場合とした。また、過去1年間に1回以上重症増悪(症状悪化による入院、救急受診、経口や静注ステロイドの使用)を経験しており、気管支拡張薬吸入前の1秒量が予測値の95%以下で、1秒量の可逆性が10%以上ある患者とした。

 ベースラインの末梢血好酸球数が150個/μL未満の患者は、デュピルマブの効果が表れにくいと予想されるため、参加者全体の20%を上限とした。2型炎症の指標によりサブグループに分類し、ベースラインの好酸球数が150個/μL以上またはFeNO濃度が20ppb以上のグループと、好酸球数が300個/μL以上のグループに分けた。

 条件を満たした参加者は、2対1の割合でランダムにデュピルマブ群とプラセボ群に割り付け、2週間に1回の頻度で皮下投与し、52週間の治療を行った。小児の体重により、30kg以下の小児には100mg、30kg超なら200mgのデュピルマブと同量のプラセボを使用した。割り付け前から行っていた安定用量の標準治療は、全員が継続した。

 主要評価項目は、1年当たりの喘息増悪回数とした。増悪の定義は、全身用のステロイド治療が少なくとも3日必要、入院、救急受診で全身用のステロイド治療を受けた場合とした。28日以内に次の増悪が起こった場合は1回とカウントした。副次評価項目は、ベースラインから12週時点の気管支拡張薬投与前の予測1秒量の変化、24週時点の7項目からなる喘息コントロール質問票(ACQ-7-IA)のスコア変化、12週時点のFeNOの変化などに設定した。なお、ACQ-7-IAスコアは0から6の範囲で、0は完全にコントロールされている状態、6はコントロールが非常に悪い状態を示す。

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