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NEJM誌から
FFRガイド下PCIは3枝病変の治療ではCABGに劣る
心筋血流予備量比を評価して第2世代薬剤溶出ステントを用いた臨床試験

 米国Stanford大学医学部のWilliam F. Fearon氏らは、冠動脈の3枝病変が見つかった患者を対象に、心筋血流予備量比(FFR)ガイド下で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った場合と、冠動脈バイパス手術(CABG)の治療成績を調べるランダム化比較試験を行い、1年後までの複合心血管イベント発生率でPCIはCABGに対する非劣性を示すことができなかったと報告した。結果は2021年11月4日のNEJM誌電子版に掲載された。

 大規模な臨床試験で、冠動脈の3枝病変がある患者ではPCIよりCABGを適用した方が予後が良好であることが報告されている。しかし、FFRを調べた上で第2世代の薬剤溶出ステントを用いるPCI治療については、まだ検討されていなかった。第2世代の薬剤溶出ステントは、第1世代よりも治療成績が向上しており、FFRでは通常の血管造影よりも冠動脈の血行動態を正確に評価できるとされている。そのため、両者を併用すると以前のPCI治療よりも成績が向上している可能性がある。そこで著者らは、3枝病変患者を対象として、第2世代の薬剤溶出ステントを用いるFFRガイド下PCIとCABGを比較する臨床試験FAME3を計画した。

 組み入れ対象は、血管造影により左冠動脈主幹部以外の3枝に50%以上の狭窄が認められた患者とした。ST上昇心筋梗塞や心原性ショックを最近起こした患者、左室駆出率30%未満の患者などは除外した。条件を満たした患者は1対1の割合で、CABGまたはFFRガイド下PCIに割り付けた。CABGに割り付けられた場合は、FFR検査を行う義務はなく、担当医に任せた。PCIに割り付けられた場合は、圧力センサー付きガイドワイヤーとアデノシンを用いてFFRを評価した。FFRが0.80以下の場合を、ゾタロリムス溶出ステントを用いたPCI治療の対象とした。

 どちらの患者もガイドラインに従って、アスピリンやスタチンを用いた治療を受けた。PCI群の患者は治療後6カ月間抗血小板薬の投与を受けた。患者の状態評価は、退院時点、1カ月後、6カ月後、12カ月後に実施した。

 主要評価項目は、1年以内の主要な有害心血管イベントとした。これは、あらゆる原因による死亡、手技によるまたは特発性の心筋梗塞、脳卒中、血行再建術の再施行と規定した。CABGに対するFFRガイド下PCIの非劣性のマージンは、ハザード比の95%信頼区間の上限が1.65未満に設定した。

 世界の48施設で条件を満たした患者1500人が試験に参加し、757人をPCI群に、743人をCABG群にランダムに割り付けた。患者の平均年齢は65歳で、29%に糖尿病があり、13%は過去のPCI歴を有していた。狭窄病変数は平均4.3カ所で、22%には1カ所以上の慢性完全閉塞病変があり、68%は分岐部病変を有していた。SYNTAXスコアの平均値は26だった。PCI群の患者に留置されたステント数は平均値で3.7個(標準偏差1.9個)で、ステント長は中央値で80mmだった。CABG群では遠位側吻合が平均3.4カ所(1.0カ所)に行われていた。97%は左内胸動脈をグラフトに使用していた。

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