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NEJM誌から
CGRP受容体拮抗薬atogepantは片頭痛予防に有効か?
1カ月当たりの片頭痛日数を減らせるかを調べた予防薬としての臨床試験

 米国MedStar Georgetown大学病院のJessica Ailani氏らは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬atogepantを12週間投与して、1カ月当たりの片頭痛が起こる日数を減らせるかを調べる第3相臨床試験を行い、プラセボに比べ1カ月当たりの平均値で1.2~1.7日減少していたと報告した。結果は、NEJM誌2021年8月19日号に掲載された。

 片頭痛予防薬は、片頭痛の頻度と重症度を減らすために用いられる。経口予防薬として米国FDAに承認されているのは、divalproex sodium(バルプロ酸とバルプロ酸塩の1対1配合剤)、フルナリジン、トピラマートプロプラノロール、チモロールなどで、注射剤には、CGRPに対するモノクローナル抗体やオナボツリヌム毒素Aがある。

 CGRPは片頭痛の病態生理に関係することが分かっている。すでに承認されている片頭痛予防薬はモノクローナル抗体製剤で、皮下投与する必要がある。経口投与が可能なCGRP受容体拮抗薬としてゲパント系のrimegepantがFDAの承認を得ているが、適応は片頭痛の治療であり、予防薬としては使えない。atogepantは経口投与が可能な低分子の片頭痛予防薬として開発された。半減期はおおよそ11時間で、最大血漿濃度に達するまでの時間は1~2時間だ。

 今回はatogepantの片頭痛予防効果を調べるための第3相臨床試験で、プラセボを対照に10mg、30mg、60mgのatogepantの有効性と安全性を調べるのが目的だ。この試験は2018年12月14日から2020年6月19日まで、米国内の128施設で行われた。最初にベースラインの片頭痛頻度を確認する4週間のスクリーニング期間を設け、次に12週間の二重盲検で割り付け薬を投与する期間を取り、その後安全性を追跡する期間を4週間設けた。

 組み入れ対象は年齢18~80歳の片頭痛患者で、発症時の年齢が50歳未満であり、1年以上の片頭痛歴がある人。組み入れ前の3カ月間は1カ月当たりの片頭痛日数が4~14日で、ベースライン期間の片頭痛日数も4~14日だった患者を選び出した。1カ月当たり15日以上頭痛がある人、オピオイドやバルビツール酸を2日以上使用している人、トリプタンや麦角誘導体を10日以上使用している人、NSAIDなどの消炎鎮痛薬を15日以上使用している人は除外した。

 条件を満たした片頭痛患者は、1対1対1対1の割合でランダムにatogepant10mg、30mg、60mg、プラセボに割付けた。参加者は1日1回ほぼ同じ時刻に3錠のタブレットを服用するよう指示された。このうちatogepant群も実薬は1錠で2錠はプラセボだった。プラセボ群は3錠ともプラセボだった。割り付け薬の包装シートは、アドヒアランスを調べるために、定期的な受診時に回収した。なお、片頭痛発作が起きた場合の治療には、トリプタン、麦角誘導体、オピオイド、鎮痛薬、NSAIDs、制吐薬の使用を許可したが、予防目的の使用は許可しなかった。

 主要評価項目は、割り付け薬の投与期間に、頭痛日記に記録された1カ月当たりの片頭痛日数が、平均値でベースラインからどのくらい変化したかを調べた。副次評価項目は、1カ月当たりの頭痛日数、1カ月当たりの片頭痛治療薬使用日数や、Activity Impairment in Migraine-Diary(AIM-D)、Migraine-Specific Quality of Life Questionnaireなどとした。安全性は、投与期間中と追跡期間中の有害事象を調べた。

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