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NEJM誌から
経口JAK阻害薬のアブロシチニブはアトピー性皮膚炎に有効
プラセボやデュピルマブと比較したフェーズ3試験JADE COMPAREの結果

 ドイツBonn大学のThomas Bieber氏らは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者にヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のアブロシチニブを投与して、プラセボまたは既にアトピー性皮膚炎治療薬として承認されているデュピルマブと、有効性と安全性を比較するランダム化比較試験JADE COMPAREを行い、アブロシチニブはプラセボよりも症状改善効果が有意に優れ、高用量アブロシチニブはデュピルマブより掻痒軽減効果が高かったと報告した。フェーズ3試験の結果は2021年3月25日のNEJM誌に掲載された。

 アブロシチニブは1日1回経口投与する低分子量のJAK1阻害薬で、IL-4やIL-13などのアトピー性皮膚炎の機序に関わるサイトカインのシグナル伝達を阻害する。低分子薬はモノクローナル抗体に比べ免疫反応を刺激しにくいと考えられ、有効性が劣らなければ皮下注射で投与する薬よりも患者の利便性は大きいが、これまでに他のJAK阻害薬と比較した臨床試験は行われていなかった。

 二重盲検のフェーズ3試験JADE COMPAREは、18カ国(北米、南米、欧州、アジアの国とオーストラリア)の施設が参加して行われた。組み入れ対象は、少なくとも1年以上の病歴がある中等症から重症の成人アトピー性皮膚炎患者。局所治療薬だけでは改善せず、Investigator's Global Assessment(IGA)スコアが3以上、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアが16以上で、病変部が体表面積の10%以上にわたり、Peak Pruritus Numerical Rating Scale(PP-NRS)スコアが4以上、に該当する場合とした。

 条件を満たした患者は、試験参加前に28日間のスクリーニング期間を設けて、それまでのアトピー性皮膚炎治療薬の使用を中止した。少なくとも割り付けの7日前から、保湿剤の1日2回使用を開始して、試験期間中も継続した。臨床試験の割り付け薬を使い始める日から、局所治療薬の1日1回塗布も開始することにした。局所治療薬には、weakまたはmediumのステロイド外用薬、カルシニューリン阻害薬、ホスホジエステラーゼ4阻害薬を使用可とした。strongより作用が強いステロイド外用薬や、全身用のステロイドは使用しないこととした。

 参加者は2対2対2対1の割合で、アブロシチニブ200mg群、アブロシチニブ100mg群、デュピルマブ300mg群、プラセボ群にランダム割り付けし、16週間投与した。アブロシチニブは1日1回経口投与し、デュピルマブは初回600mgを皮下投与後、隔週で皮下注射した。

 主要評価項目は、治療開始から12週時点の反応で、IGAスコアが0または1になりベースラインに比べ2以上改善していた患者(IGA反応達成者)の割合と、EASIスコアが75%改善していた患者(EASI-75達成者)の割合に設定した。副次評価項目は、2週時点の掻痒反応でPP-NRSスコアが4点以上改善していた患者の割合と、16週時点のIGA反応達成者とEASI-75達成者の割合について評価した。

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