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NEJM誌から
レルゴリクス併用療法は子宮筋腫治療に有望
エストラジオールと酢酸ノルエチンドロンの併用で骨量を維持しつつ症状を軽減

 米国Chicago大学のAyman Al-Hendy氏らは、子宮筋腫で過多月経のある女性を対象にした2件のフェーズ3試験を行い、経口ゴナドトロピン放出ホルモン受容体拮抗薬のレルゴリクスに、エストラジオールと酢酸ノルエチドロンを組み合わせて1日1回服用することにより、骨密度を保ちながら症状を軽減できたと報告した。結果はNEJM誌2021年2月8日号に掲載された。

 子宮筋腫の有病率は高く、50歳までの有病率は、白人女性でおおよそ70%、黒人女性では80%といわれている。子宮筋腫がある女性の25%は症状を伴い、最も多いのが過多月経で貧血につながることも多い。長時間作用型のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)類似体の注射薬は有効だが、エストロゲン値の低下を引き起こすため、短期間の使用に留めるか、ホルモン療法の追加が必要になる。

 経口GnRH拮抗薬のエラゴリクスとエストラジオール、酢酸ノルエチンドロンの合剤は、米食品局(FDA)から、過多月経を呈する子宮筋腫患者に最長24カ月間投与することが許可されているが、エラゴリクスは半減期が短いため、1日2回の服用が必要な上、骨量減少を引き起こす。さらに、血圧や血中脂質量にも有害な影響を及ぼす。手術も選択肢として一般的だが、子宮を温存すれば再手術となるリスクは高く、子宮全摘は長期にわたる後遺症を引き起こす。ゆえに、非外科的で長期間適用可能な治療の選択肢が求められていた。

 レルゴリクスは経口型の非ペプチド性GnRH受容体拮抗薬だ。先に日本で行われたフェーズ3試験では、症候性の子宮筋腫患者に40mgを投与して、プラセボに比べ有意な症状軽減を見ていた。さらに、エストロゲン値の低下による有害事象を減らし、骨量を維持するために、レルゴリクスとエストラジオール、酢酸ノルエチンドロンの3剤併用が考案された。そこで著者らは、同じ試験デザインの国際的フェーズ3試験(LIBERTY 1とLIBERTY 2)を、アフリカ、欧州、北米、南米で実施することにした。

 LIBERTY 1(L1)試験は80施設で2017年4月から2018年10月まで、LIBERTY 2(L2)試験は99施設で2017年6月から2018年12月まで、患者登録を行った。組み入れ対象は、年齢18~50歳の閉経前の女性で、超音波検査により子宮筋腫と診断されており、アルカリ・ヘマチン法で評価した、2回の月経で失われた血液量の合計から1回当たりの出血量が80mL以上の患者、または1回の月経で失われる出血量が160mL以上の患者とした。ホルモン治療を受けている患者や、骨密度が低い患者(zスコアで-2.0未満)は除外した。

 参加者は1対1対1の割合で、プラセボ群、レルゴリクス併用療法群、レルゴリクス単剤療法から併用療法への切り替え群にランダムに割り付けた。切り替え群を設けたのは、エストラジオールと酢酸ノルエチンドロンを併用する利益を検討するためだ。併用療法群には、レルゴリクス40mg錠剤と、エストラジオール1mg+酢酸ノルエチンドロン0.5mg入りのカプセルを、1日1回24週間使用してもらった。切り替え群には、レルゴリクス40mg錠剤とプラセボのカプセルを12週間使用してもらった後に、12週間は実薬入りの錠剤とカプセルを併用してもらった。

 有効性の主要評価項目は、治療に反応した患者の割合とし、アルカリ・へマチン法で測定した1回の月経出血量が80mL未満で、ベースラインから50%以上減少した場合と規定した。副次評価項目は、無月経、月経で失われる出血量の減少率、Bleeding and Pelvic Discomfort scaleを用いて評価した出血と下腹部不快感による苦痛、貧血、疼痛、子宮筋腫の体積、子宮の体積とした。安全性と骨密度も評価した。

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