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NEJM誌から
再発性心膜炎にrilonaceptを用いるフェーズ3試験
プラセボよりも心膜炎の症状軽減を促進し再発を抑制する

 米国Cleveland ClinicのAllan L. Klein氏らは、再発性心膜炎患者にインターロイキン-1阻害薬のrilonaceptを投与するランダム化フェーズ3試験を行い、プラセボに比べて速やかに心膜炎の症状を消失させ、その後の再発を減らしたと報告した。結果は2020年11月16日にNEJM誌電子版に掲載された。

 心膜炎を発症した患者の15~30%は、コルヒチンを使用していても再発を経験することが知られている。治療の選択肢は限られている上に、ステロイドの長期使用は重篤な有害事象が発生する可能性があるため好ましくない。

 IL-1は、病態生理学的に再発性心膜炎に関連すると考えられており、全身性の炎症がある患者では治療の標的として有望と考えられている。小規模な研究だが、ステロイドの投与中止後に再発したコルヒチン抵抗性の特発性再発性心膜炎患者に、組換えIL-1受容体拮抗薬のアナキンラを用いた試験では、再発リスクの減少が報告されている。

 rilonaceptはインターロイキン-1αとβの両方をトラップする可溶性IL-1阻害薬だ。先に行われたフェーズ2試験では、再発性心膜炎患者の炎症が早期改善が見られている。そこで著者らは、フェーズ3試験のRHAPSODY(Rilonacept Inhibition of Interleukin-1 Alpha and Beta for Recurrent Pericarditis: a Pivotal Symptomatology and Outcomes Study)を実施することにした。

 対象は、2015年の欧州心臓病学会の心膜炎の基準を満たしている、年齢12歳以上の再発性心膜炎患者。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、経口ステロイドのいずれか、または併用で治療したにも関わらず、少なくとも2回の急性症状再発を起こした場合とした。0から10までの数値化スケールで4以上の痛みがあり、CRPが少なくとも1mg/dL以上ある患者を組み入れ対象にした。

 条件を満たす患者をスクリーニングした後、12週間のランイン期間を設けて、全員にrilonaceptを投与した。rilonaceptの負荷投与量は320mg(18歳未満には体重1kg当たり4.4mg)とし、その後は維持用量として160mg(18歳未満には体重1kgあたり2.2mg)を週1回皮下注射した。ランイン期間のうち、最初の1週間は安定化期間とし、その後9週間かけて、それまで使用していた心膜炎治療薬を減量した。最後の2週間はrilonaceptのみを使用するようにした。

 このうち、ランイン期間にあらかじめ設定していた臨床反応の基準(CRPが0.5mg/dL以下で、疼痛スコアが2以下)を満たした患者をランダム割り付けの対象とした。患者は1対1の割合でrilonacept群またはプラセボ群に割り付け、引き続き週1回の皮下注射を継続した。

 主要評価項目は、治療後の心膜炎の初回再発イベントとした。再発の判定は独立した委員会が行い、疼痛が再発し、CRPが上昇するとともに、心膜液貯留、心膜摩擦音、心電図の変化など、心膜炎を示す客観的な変化がある場合とした。 試験は、22人が初回の再発を経験するまで継続することになっていた。主な副次評価項目は、16週時点まで心膜炎の症状がない状態が持続していた患者の割合や、16週時点までに疼痛スコアが2以下を維持していた日数の割合などに設定した。

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