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NEJM誌から
全身の炎症性疾患を起こす遺伝子変異を同定
ユビキチン活性化酵素E1をコードするUBA1遺伝子のメチオニン変異

 成人発症の炎症症候群の多くは、臨床特性は部分的に共通するが、別の病気だと見なされてきた。米国NIHのNational Human Genome Research Instituteに所属するDavid B. Beck氏らは、蛋白質のユビキチン化を開始させるユビキチン活性化酵素E1をコードするUBA1遺伝子のメチオニン-41(p.Met41)に生じた体細胞変異が、複数の成人発症炎症症候群を引き起こすことを明らかにし、NEJM誌電子版に2020年10月27日に報告した。

 著者らは、難治性炎症症候群で、血液学的異常が見られる男性患者に、UBA1遺伝子の不活性化変異が存在することを発見した。UBA1は、蛋白質の翻訳後修飾の一種であるユビキチン化の開始に必須であり、ユビキチン化は自然免疫を初めとして様々な経路に役割を果たしている。これまでにも、ユビキチン関連遺伝子と自己炎症性症候群の関係を示した研究はあったが、今回得られた知見は、疾患の定義の変更に結びつく可能性がある。

 著者らが今回用いたアプローチは、末梢血のエキソーム解析、サンガーシーケンス解析、イムノブロッティング、免疫組織化学検査、フローサイトメトリー、トランスクリプトーム解析、サイトカイン解析などで、さらに、CRISPR-Cas9システムを用いた遺伝子編集ゼブラフィッシュを作製して、遺伝子機能の評価も行った。

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