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NEJM誌から
4価HPVワクチンはスウェーデン女性の子宮頸癌を減らした
17歳までに接種した少女では未接種女性に比べ子宮頸癌が88%減少

 スウェーデンKarolinska研究所のJiayao Lei氏らは、同国の女性を対象に、4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種とその後の浸潤性子宮頸癌の関係を検討するコホート研究を実施し、ワクチンを接種したことがない女性に比べ、17歳までに接種した少女は子宮頸癌の発症率比が0.12に、17~30歳までに接種した女性は0.47に減少していたと報告した。結果はNEJM誌2020年10月1日号に掲載された。

 2019年12月の時点で、世界の124カ国が、4価のHPVワクチンの国家的な接種プログラムを推進していた。スウェーデンでは、HPVワクチンは2006年に承認され、それ以降は基本的に4価のワクチンのみが接種されている。ランダム化比較試験とその後も追跡を継続したフェーズ4試験では、ワクチンの有効性が報告されているが、参加者の数が少ないため、全国規模での有効性は確認されていなかった。

 スウェーデンで13~17歳までの女性へのHPVワクチンの接種に対する助成が始まったのは2007年5月だった。2012年には、13~18歳の女性を対象とする無料のキャッチアッププログラムと、10~12歳を対象とする学校単位での接種プログラムも開始された。また、同国では、23~64歳の女性に、年齢に応じて3年から7年ごとに、子宮頸癌スクリーニングへの参加機会を提供している。

 著者らはまず、スウェーデンの人口統計と保健に関する全国登録を用いて、2006年1月1日~2017年12月31日までの期間に、年齢が10~30歳だった222万268人の女性を抽出した。このうち、他国へ移住した人や逆に他国から移住してきた人、期間中になくなった人、すでに子宮頸癌と診断されていた人などを除く167万2983人の女性を追跡対象にした。

 追跡は2006年1月1日、または10歳の誕生日から開始した。追跡は以下のいずれかに該当するまで継続した。1)浸潤性子宮頸癌と診断される、2)国外に移住する、3)死亡、4)消息不明になる、5)二価のHPVワクチンを接種する、6)31歳の誕生日を迎える、7)終了予定日(2017年12月31日)。

 その上で、追跡期間中の子宮頸癌の累積発症率を調べ、4価HPVワクチンを接種した女性と、未接種の女性を比較することにした。2006年から4価のワクチンは3回接種する方法だったが、2015年からは学校で行う2回接種方式になった。今回の分析では、接種回数が1回であっても接種者と見なした。また、接種日は初回の接種を受けた日とした。交絡因子として、追跡調査時点の年齢、暦年、居住地域、親の特性(学歴、世帯収入、母親の出生国、母親の病歴など)も調べた。

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