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NEJM誌から
分子標的薬が米国の非小細胞肺癌死亡率を減少
癌登録の肺癌のサブタイプと死亡統計を照合した死亡率の変遷

 米国National Cancer InstituteのNadia Howlader氏らは、米国の癌登録データを用いて、2001年から16年までの肺癌の発症率と死亡率の変化を変化をサブタイプごとに検討し、非小細胞肺癌(NSCLC)では生存率向上とともに死亡率が減少しているのに対して、小細胞肺癌(SCLC)では成績の改善は見られなかったと報告した。結果はNEJM誌2020年8月13日号に掲載された。

 米国では、肺癌全体の死亡率は低下している。同国の肺癌患者の76%はNSCLC、13%がSCLCと報告されており、これらサブタイプの発症率の経時的な変化については、すでに十分に研究されている。しかし、サブタイプごとの死亡率の変化の傾向は明らかではなかった。死亡診断書にはサブタイプに関する情報は記録されていないからだ。

 著者らは、サーベイランス・疫学・最終転帰(SEER)に記録されていたNSCLCまたはSCLCの新規発症例と肺癌死亡記録を関連付けて、人口当たりのNSCLCとSCLCによる死亡率の経時的変化を評価した。

 年齢調整した人口10万人当たりの死亡率は、SEERで肺癌と診断されていた人の肺癌による死亡率に比べ、死亡診断書に基づく肺癌死亡率の方が高かった。その理由は主に、診断書では、他の癌の肺転移による死亡なども肺癌死亡とされていることにあると考えられた。従って、本来の肺癌死亡(肺癌と診断され、肺癌に対する治療を受けたが、肺癌により死亡した患者)の件数は、死亡診断書に基づく件数より少ないと考えられた。

 続いて、NSCLCとSCLCによる死亡率と、これらの診断を受けた患者の生存率について検討した。2001年以降に、NSCLC による死亡率は、NSCLC の発生率の低下を上回るスピードで低下しており、生存率は経時的に大きな改善を示していた。

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