日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
子宮筋腫摘出術と子宮動脈閉塞術のQOL比較
子宮全摘術を望まない女性の治療から2年後のQOLは筋腫摘出術の方が良好

 英国St. George's Hospital and Medical SchoolのIsaac Manyonda氏らは、子宮筋腫(子宮線維症)の症状があるが、子宮全摘術を望まない女性患者を対象に、子宮筋腫摘出術と子宮動脈塞栓術を比較するオープンラベルのランダム化比較試験(RCT)を行い、治療から2年後のQOLは筋腫摘出術を受けた患者の方が良好だったと報告した。結果はNEJM誌2020年7月30日号に掲載された。

 子宮筋腫は生殖年齢の女性に最も多く見られる腫瘍で、患者の約半数が腹痛や過多月経などの不快な症状に悩まされる。筋腫摘出術は子宮を温存しながら筋腫部分を切除する手術だ。これに対して子宮動脈塞栓術は、カテーテルから筋腫部分の栄養血管に塞栓物質を注入して虚血状態にする治療法だ。筋腫摘出術と比較すると、入院期間も、日常生活に戻るまでの時間も短い。しかし、追加の治療を必要とする患者の割合は多くなる。

 先に行われた2件のRCTは、動脈塞栓術に比べ、筋腫摘出術の方がQOLの改善は大きく、妊娠出産の転帰も良好と報告していたが、追跡期間は1年と短く追跡中の離脱者も多かった。そこで著者らはFEMME試験(A Randomized Trial of Treating Fibroids with Either Embolisation or Myomectomy to Measure the Effect on Quality of Life Among Women Wishing to Avoid Hysterectomy)を計画した。

 参加者は英国内の29病院で募集した。対象は、18歳以上の閉経前の女性で妊娠しておらず、症候性の子宮筋腫があるが子宮全摘術を希望しない患者で、筋腫摘出術または動脈塞栓術の治療適応がある場合とした。子宮腺筋症が大きな患者、癌と診断された患者、骨盤内炎症性疾患のある患者、以前に筋腫摘出術や動脈塞栓術を受けたことがある患者は除外した。参加者は病歴聴取と診察を受け、超音波検査とMRI造影検査を受けて、どちらの治療も適応があることを確認した

 条件を満たした患者は、1対1の割合で筋腫摘出術と動脈塞栓術にランダムに割り付けた。層別化した条件は、最大筋腫のサイズ(7cm以下とそれ以上)、筋腫の数(1~3個、4~10個、それ以上)、妊娠希望の有無とした。筋腫摘出術に割り付けられた患者は、担当する婦人科医が、開腹ルート、子宮鏡ルート、腹腔鏡ルート、またはこれらの併用ルートを決定した。癒着剥離術の併用は制限しなかった。

 主要評価項目は、割り付けから2年後のUterine Fibroid Symptom and Quality of Life(UFS-QOL)質問票の健康関連QOLドメインのスコア(範囲は0~100で高スコアほどQOLは良好)とし、ベースラインのスコアで補正した。副次評価項目は、6カ月後と1年後のUFS-QOLの健康関連QOLスコア、UFS-QOLの重度ドメインのスコア(0~100の範囲で高スコアほど重症)などとした。妊娠の発生、妊娠の転帰、患者満足度、入院期間、子宮筋腫関連の介入の追加実施も評価した。参加者には割り付けから6カ月後、1年後、2年後に評価を受けてもらった。

この記事を読んでいる人におすすめ