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NEJM誌から
下肢整形外科手術のVTE予防効果の臨床試験
リバーロキサバンはエノキサパリンより有効性が高い

 フランスParis第6大学付属Cochin病院のC. Marc Samama氏らは、整形外科疾患で下肢の小手術を受ける静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが高い患者に対して、リバーロキサバンまたはエノキサパリンを予防的に投与するランダム化比較試験(RCT)を行い、VTEイベントを抑制する効果は、エノキサパリンよりリバーロキサバンの方が高かったと報告した。結果はNEJM誌電子版に2020年3月29日に掲載された。

 股関節や膝関節の全置換術や、股関節部骨折に対する手術を受けた患者には、血栓予防を目的とする抗凝固薬の投与が推奨されている。一方で、そうした大手術には該当しない、下肢整形外科手術を受ける患者に対する血栓予防の必要性についてはコンセンサスは得られていない。米国のガイドラインでは、非大手術後の患者のVTEリスクは低いため、予防は必要ないとしている。一方、欧州のガイドラインでは、VTEの危険因子がある患者で、出血リスクよりも血栓予防の利益の方が大きいと考えられる患者には、低分子ヘパリンで予防措置を行うとしている。

 下肢の手術後には、一時的に身体の可動性が低下し、VTEのリスクが高まる。患者が高齢であったり、併存疾患、肥満、VTE歴などの危険因子を保有していたりすれば、術後のVTEリスクはさらに高まる。著者らは、そうした患者に対するVTE予防において、リバーロキサバンはエノキサパリンに対して非劣性であると仮定して、国際的なRCTのProphylaxis in Nonmajor Orthopaedic Surgery(PRONOMOS)を行った。

 対象は、整形外科疾患で下肢の手術を受ける成人の入院患者で、VTEリスクが高いと見なされ、2週間以上の血栓予防投与を受ける人。手術の種類は、アキレス腱断裂に対する修復術、膝の手術、腓骨や大腿骨のプラトー骨折(大腿骨骨頭または頸部の骨折を除く)、脛骨または距骨の骨折、関節固定術、など多様だった。

 術前の治療として、低分子ヘパリンを最長で48時間用いてよいこととした。ランダム割り付けは術後10時間以内に行うこととし、参加施設と治療期間(2週間~1カ月、1カ月~2カ月、2カ月超)で層別化した。リバーロキサバン群には、リバーロキサバン10mgの経口投与とプラセボの皮下注射を、エノキサパリン群にはプラセボの経口投与とエノキサパリン40mgの皮下注射を1日1回行うこととした。

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