米国Merck社のMichael F. Egan氏らは、認知症と診断される前の軽度認知障害の患者を対象に、アミロイドβ阻害薬のベルベセスタットとプラセボの認知症進行抑制効果を比較するランダム化比較試験を行い、104週間の追跡で認知症スコアを改善することはできなかったと報告した。結果はNEJM誌2019年4月11日号に掲載された。

 アルツハイマー病(AD)のアミロイド仮説は、脳に沈着したアミロイドβが、タウ関連の神経原線維変化と神経炎症、および神経変性の拡大を引き起こすというものだ。アミロイド前駆体蛋白切断酵素(BACE-1)阻害薬は、アミロイドβの産生を抑制し、アミロイド斑の沈着を抑制する。ベルベセスタットは、健常人とAD患者の両方において、脳脊髄液中のアミロイドβレベルを60%超減じることが示されていた。

 しかし、軽症から中等症のAD患者に投与した臨床試験では、ベルベセスタットは認知症の臨床的な進行を予防することはできなかった。このため、著者らは既に認知症を発症した段階では、進行を防ぐには遅すぎるのではないかと考えた。そこで脳のアミロイドレベルが上昇しているが、ADと診断される前の軽度認知障害

アミロイドβ阻害薬は認知症進行を抑制せずの画像

ログインして全文を読む