移植用の臓器不足に対する解決法の1つとして、米Brigham and Women's HospitalのAnn E. Woolley氏らは、C型肝炎ウイルス(HCV)陽性ドナーからHCV陰性患者に対する心臓または肺の移植を行い、直接作用型抗HCV薬を予防的に投与すれば、レシピエントに対するHCV感染を阻止することができ、臓器の生着も良好だったと報告した。臨床試験の結果は、NEJM誌電子版に2019年4月3日に掲載された。

 米国でも、移植用の心臓と肺の提供は少なく、待機中の患者が毎年1000人程度死亡している。一方で近年、薬物の過剰摂取による死者からの臓器提供が増加しているが、問題になっているのは、薬物濫用者にHCV陽性者が少なからず存在することだ。ドナーになるにあたって他には全く問題がなくても、HCV陽性者の臓器は基本的に移植に用いられない。以前行われた、HCV陽性者の臓器のHCV陰性患者への移植では、レシピエントの82%が慢性HCV感染症になったと報告されており、一部の研究は、肝疾患による死亡も増えたと報告していた。

 しかし、直接作用型抗HCV薬の登場が状況を変えた。HCV陽性ドナーの腎臓と肝臓を陰性レシピエントに移植した研究では、この移植の実現可能性が示唆された。そ

HCV陽性ドナーからの心肺移植は安全に行えるの画像

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