近年は、ゲノム解析に基づく癌の治療(プレシジョン・メディシン)が注目を集めている。米Harvard大学医学部のRyan B. Corcoran氏らは、血漿中の遊離DNA(cfDNA)を分析する技術の進歩と、癌治療に応用した場合の有用性や、改善すべき課題などをレビューし、NEJM誌2018年11月1日号に報告した。

 リキッドバイオプシーという言葉は、血液または他の体液(尿、便、脳脊髄液、唾液、胸水、腹水など)から、腫瘍由来のあらゆる素材(腫瘍細胞、エクソソーム、腫瘍特異的な蛋白質や核酸)を分離して調べることを指す。このレビューは末梢血中のcfDNAを分析する技術に焦点を当てているが、例えば中枢神経系の癌であれば脳脊髄液、大腸癌であれば便、頭頸部腫瘍なら唾液などが、リキッドバイオプシーの標本として適している可能性がある。

■cfDNA
 cfDNAは、細胞構造に包まれていない血液中に遊離しているDNA断片を指す。アポトーシスやネクローシスなどにより血液中に放出されると考えられ、典型的なものは150~200塩基程度の二重鎖DNAだ。循環血液中の半減期は1時間以内と考えられている。健常人の血漿濃度は10~15ng/mL程度で、運動、炎症、外傷などが加わると増加する。

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