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NEJM誌から
ロタワクチンの腸重積リスクは小さいが有意
ただし、ワクチンによる利益がはるかに大きい、米国での市販後調査の結果

 米国で利用可能な2種類のロタウイルス・ワクチン腸重積リスクを調べた市販後調査の結果、リスク上昇は有意だが絶対的な影響は小さいことが示された。米Harvard大のW. Katherine Yih氏らは主に5価ワクチンに関した調査結果を、米疾病対策センター(CDC)のEric S. Weintraub氏らは1価ワクチンに関する調査結果を、それぞれNEJM誌電子版に2014年1月14日に報告した。

 米国では1999年に、ロタウイルス・ワクチン「RotaShield」が、腸重積リスクの上昇を理由に自主回収された。市販から1年で明らかになった過剰リスクは約1万人当たり1~2と報告されている。その後、市販が開始された1価の「ロタリックス」と、5価の「ロタテック」については、RotaShieldに比べて腸重積リスクは非常に小さいと報告されていた。ただし、国際的な市販後調査では、これら2製品接種後に腸重積リスクのわずかな上昇が見られた。

 米国ではこれまで、統計学的に十分な検出力を持つ市販後調査は行われていなかったため、米食品医薬品局(FDA)とCDCは、ロタウイルス・ワクチンの安全性を調査した。

5価ワクチンの初回接種後に有意なリスク上昇
 W. Katherine Yih氏らは、FDAの資金提供の下、ロタワクチン接種と腸重積の関係を調べた市販後研究調査Mini-Sentinelプログラムの一環として、米国の3つの医療保険会社に登録された生後5.0~36.9週までの乳児データを分析した。04年1月から11年9月に、腸重積が疑われた患者のワクチン接種に関する情報と医療記録を入手し、腸重積発症の有無を確認した。

 主要な解析にはワクチン接種歴のある小児のみを対象とする自己対照リスクインターバル解析を用いた。腸重積リスクの上昇が予想されるリスク期間を接種後7日目までと、接種後21日目までとし、22~42日目をコントロール期間とした。2次解析にはコホートデザインを用いて、接種ありと接種なしの小児を比較した。

 5価ワクチンでは、50万7874回の初回ワクチン接種を含む127万7556回の接種、1価ワクチンでは、5万3638回の初回接種を含む10万3098回の接種について分析した。

 腸重積の可能性があった患者は343人で、医療記録がそろっていたのは267人(78%)だった。腸重積罹患は、5価ワクチンの初回接種後に有意に多く、主要な解析では、接種から7日目までの相対リスクは9.1(95%信頼区間2.2-38.6)、10万人当たりの寄与危険度は1.1(0.3-2.7)、21日目までの相対リスクは4.2(1.1-16.0)、寄与危険度は1.5(0.2-3.2)だった。2次解析でも、接種後21日目までの寄与危険度は1.2(0.2-3.2)だった。一方、2回目、3回目の接種後には、相対リスクと寄与危険度に有意な上昇は見られなかった。

 1価ワクチンに関する主要な解析では、有意な結果は得られなかった。ただし、2次解析では2回目接種後のリスク上昇は有意だった。

 5価ワクチン接種後に腸重積リスクは上昇したが、そのレベルはRotaSchieldの10分の1程度だった。

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