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NEJM誌から
サイトメガロウイルス感染予防にCMX001が有望
造血細胞移植後の患者を対象に行われたRCTの結果

 サイトメガロウイルスCMV)感染症の発症リスクが高いCMV血清反応陽性患者に、新しく開発されたCMX001かプラセボを二重盲検法で投与した試験で、CMX001の週2回、100mg投与により発症リスクを有意に低減できることが示された。米Dana-Farber癌研究所のFrancisco M. Marty氏らが、NEJM誌2013年9月26日号に報告した。

 CMV感染症は、造血細胞移植を受けた患者に悪影響を及ぼす。レシピエントがCMV血清陽性の場合は、移植後の免疫抑制療法により、多くにCMVの再活性化が見られ、死亡リスクも高まる。既存の抗CMV薬を用いた再活性化予防はCMV感染症を減らすが、現在使用可能な抗ウイルス薬は有害事象の発生率が高く、薬剤耐性CMVの出現も懸念されるため、使用が制限されている。

 CMX001は非環状ヌクレオシド亜リン酸塩で、服用後は小腸で吸収され、リン脂質として体内を循環して標的細胞の中に進入し、細胞内でcidofovir2リン酸に変換される。細胞内での半減期は長い。in vitroでのCMVに対する効果はcidofovirの約400倍で、ガンシクロビル耐性株にも有効だ。CMV感染動物モデルでも効果が確認されている。cidofovirと異なり、腎毒性を示さない。また、ヘルペスウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルスその他のオルソポックスウイルスにも強力な抗ウイルス作用を発揮することが、in vitroおよび動物モデルで示されている。

 著者らは、同種造血細胞移植を受ける18歳以上の患者を登録し、CMX001の安全性と抗CMV活性を評価する用量漸増ランダム化比較試験(RCT)を行った。

 09年12月~11年6月に、評価可能なデータが得られた成人患者を米国内27施設で登録した。条件を満たしたCMV血清反応陽性のレシピエントを、いくつかの用量のCMX001またはプラセボに割り付けて経口投与した。

 ランダム化は、ステロイド投与を必要とする急性移植片対宿主病(GVHD)の有無と血漿中のCMV DNAの存否に基づいて層別化してから行った。さらに、初回投与前7日以内にPCRを行って血漿CMV DNAレベルを測定し、CMV DNA陰性の患者と、治療を必要としない低レベルのCMV DNAが検出された患者も組み入れた。

 割り付け薬は、移植14~30日後に投与を開始し、移植から13週目まで継続した。投与期間中は週1回、PCRにより血漿CMV DNAを測定した。治療が必要なレベルの血漿CMV DNA量を示した患者、CMV感染症を発症した患者などについては、割り付け薬の使用を中止し、CMV感染に対する治療薬を投与した。

 主要転帰評価指標は、CMVイベント(CMV感染症の発症または最後の投与から1週間以内の血漿CMV DNA値が200コピー/mL超)に設定。intention-to-treat分析した。

 患者が割り付け薬の使用を開始したのは、移植から中央値24日(レンジは14~36日)の時点で、服用期間の中央値は9週間(1~11週)だった。

 CMVイベントに関する評価の対象になったのは、プラセボ群が59人、40mg週1回群が25人、100mg週1回群が27人、100mg週2回群は50人、200mg週1回群が39人、200mg週2回群は30人だった。

 1週間の投与量が100mg以上の用量が適用された患者では、プラセボ群に比べてCMVイベントが少ない傾向が見られた。プラセボ群との差が有意になったのは、100mgを週2回投与されたグループで、イベント発生率は10%で、プラセボ群の37%に比べてリスク差は-27ポイント(95%信頼区間-42から-12、P=0.002)だった。

 CMV感染症はプラセボ群の2人、CMX001を投与された患者の7人に発生した。CMX001を投与された患者のうち3人は40mg週1回群、3人は100mgを週1回群、1人は100mgを週2回群だった。9人中6人は、ベースラインの血漿CMV DNA測定で、低レベル(200~5300コピー/mL)のCMV DNAが検出されていた。

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