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NEJM誌から
低線量CTで見つかる肺結節の悪性確率を高精度で予測
悪性確率2%以上を陽性とすると感度84.7%、特異度89.6%となるモデル

 低線量CTスクリーニングで見つかった肺結節が悪性である確率を推定するモデルをカナダVancouver総合病院のAnnette McWilliams氏らが作成し、その精度を確認した上で一般に公開した。作成過程の詳細とその精度はNEJM誌2013年9月5日号に報告された。

 低線量胸部CT検査によるスクリーニングが胸部単純X線によるスクリーニングに比べて肺癌死亡を減らすかどうかを検討したランダム化比較試験(RCT)「U.S. National Lung Screening Trial」では、低線量CT検査が肺癌による死亡を20%減らすことが示された。しかし、陽性判定の定義と、検出される結節の管理法が明瞭でないことが、低線量CTスクリーニングの実施を難しくしている。肺癌のスクリーニングに関する複数の論文によると、初回のスクリーニングでは約5人に1人に肺結節が見つかり、悪性と見なされ手術を受ける患者の約25%は、術後に良性腫瘍だったことを知らされている。良性結節に対する侵襲的な検査は合併症の増加につながる。検出された肺結節が悪性である可能性を正確に予測できる、臨床判断に役立つ実用的なモデルの必要性は極めて高い。

 そこで著者らは、住民ベースの前向き研究を行い、初回の低線量CTスクリーニングで検出された肺結節が悪性である確率、またはその後の追跡で悪性であることが判明する確率の予測に役立つ因子を明らかにしようと考えた。

 分析対象になったのは、低線量CT検査を受けた2つのコホートのデータだ。モデルを開発するためのコホートは、Pan-Canadian Early Detection of Lung Cancer StudyPanCan、全カナダ肺癌早期発見研究)の参加者とした。Pancanは、肺癌歴のない50~75歳の喫煙者と過去の喫煙者で、Prostate,Lung,Colorectal,and Ovarian Cancer Screening Trial(PLCO癌スクリーニング試験)で用いられた肺癌リスク予測モデルにより3年肺癌リスクが2%以上と判定された人々を登録していた。

 検証コホートには、British Columbia Cancer AgencyBCCA)で行われた化学予防試験に登録された、肺癌歴のない50~74歳の喫煙者と過去の喫煙者で、喫煙量が30箱-年(pack-years)以上だった人々とした。

 低線量CT検査で見つかった非石灰化結節は、大きさ(横径)にかかわらず、良性か悪性かが明らかになるまで、すべて追跡した。肺癌の診断は、切除標本または針吸引生検で得られた標本を対象とする組織病理学的検査により行った。

 PanCanでは、2537人中1871人(73.7%)に7008個の結節が検出され、中央値3.1年追跡し、102人(結節陽性者の5.5%)が肺癌と診断されていた。BCCAコホートでは1090人に5021個の結節が検出され、中央値8.6年の追跡で、40人(3.7%)に悪性結節が42個見つかっていた。

 単変量解析を行い、社会人口学的要因や臨床特性などの中から肺癌予測因子を探したところ、有意だったのは、結節の大きさ、タイプ(非充実性、一部充実性、充実性)、局在、個数だった。PanCanデータセットでは、棘状辺縁も有意な予測因子になった(BCCAコホートには棘状辺縁の有無が記録されていなかった)。

 続いて多変量ロジスティック回帰分析により、独立した予測因子であることが示された(P<0.05)因子だけを組み入れた簡素モデルを作成。簡素モデルには、性別が女性、結節のサイズが大きい、結節が上葉に局在、棘状辺縁ありの要因を組み入れた。これとは別に、より多くの変数(P<0.25でも肺癌リスクとの関係が示唆されていた要因を含める)を組み入れたフルモデルを作成した。フルモデルには、高齢、肺癌の家族歴、肺気腫、結節数が少ない、一部充実性結節などの要因を追加した。

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