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BMJ誌から
VTE再発予防効果はビタミンK拮抗薬が最も高いが、大出血リスクも最大
抗凝固薬と抗血小板薬の有効性と安全性を比較したネットワークメタ解析の結果

 静脈血栓塞栓症VTE深部静脈血栓症肺塞栓症)の2次予防として、様々な経口抗凝固薬ダビガトランリバーロキサバンアピキサバンビタミンK拮抗薬)と抗血小板薬アスピリン)の有効性と安全性を比較したネットワークメタ解析の結果、VTE再発予防効果が高く、大出血リスクが低い最適な薬剤はないことが示された。患者ごとに最適となる薬剤を判断する必要がありそうだ。カナダOttawa大のLana A Castellucci氏らが、BMJ誌電子版に2013年8月30日に報告した。

 一過性で可逆的な危険因子を持つ患者がVTEを発症した場合に比べ、非誘発性のVTE経験者の再発リスクは高く、長期間その状態が持続する。米国胸部疾患学会は、非誘発性VTE経験者で出血リスクが低い患者には再発予防策の長期的な実施の検討を推奨している。

 しかし例えば、長期にわたるビタミンK拮抗薬の使用は、出血リスクがあること、定期的なモニタリングが必要であることなどから好まれない。それ以外の抗凝固薬や抗血小板薬の選択も可能だが、それぞれの再発リスク低減効果と出血リスク上昇レベルを比較したデータがなければ、選択は難しい。そこで著者らは、系統的レビューとネットワークメタ解析を行った。

 症状性のVTEと診断された患者を、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、ビタミンK拮抗薬、アスピリン、プラセボまたは治療なし(観察)のいずれかに割り付けて、VTE2次予防における有効性(再発予防効果)と安全性(大出血リスク)を比較していたランダム化比較試験(RCT)を、Medline(1950年以降)、Embase(80年以降)、コクラン比較臨床試験登録から抽出。

 12件の論文(13件の研究)が条件を満たした。有効性評価の対象となったのは1万1999人、安全性評価の対象は1万2167人の患者だった。個々の研究のデータを抽出して、ベイジアンネットワークメタ解析と、直接的な頻度論的一対比較によるメタ解析を行った。

 ベイジアンネットワークメタ解析では、全ての治療薬がVTE再発リスクを低下させていた。プラセボまたは治療なし群と比較すると、標準用量のビタミンK拮抗薬群(国際標準化比で2.0~3.0)のVTE再発のオッズ比は0.07(95%信頼区間0.03-0.15)で再発リスク低減効果は最も大きく、再発はプラセボ群または治療なし群に比べて、100人当たり8.8人少なくなると推定された(95%信頼区間-9.3から-8)。

 ダビガトラン150mg(1日2回)群ではオッズ比は0.09(0.04-0.21)、再発は100人当たり-8.6人(-9.2から-7.3)、アピキサバン2.5mg(1日2回)群では0.17(0.08-0.36)、100人当たり-7.8人(-8.8から-5.8)、リバーロキサバン20mg/日群でも0.17(0.06-0.41)、100人当たり-7.8人(-8.9から-5.3)、アピキサバン5mg(1日2回)群では0.18(0.08-0.38)、100人当たり-7.7人(-8.7から-5.6)、低強度ビタミンK拮抗薬群では0.28(0.13-0.57)、100人当たり-6.6人(-8.2から-3.8)となった。

 最もリスク低減効果が低かったのはアスピリン100mg/日群で、オッズ比は0.65(0.39-1.03)、VTE再発は100人当たり-3.1人(-5.5から0.2)だった。

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