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NEJM誌から
急性前骨髄球性白血病は化学療法なしでも治癒可能
標準療法に対してATRAと三酸化ヒ素併用の非劣性を確認

 新規診断急性前骨髄球性白血病APL)に対する標準治療である全トランス型レチノイン酸ATRA)とアントラサイクリン系薬剤を用いた化学療法の併用に対して、ATRAと三酸化ヒ素併用療法の非劣性が、2年無イベント生存率を指標にした試験で示された。イタリアTor Venditti大学のFrancesco Lo-Coco氏らが、NEJM誌2013年7月11日号に報告した。

 三酸化ヒ素とATRAはいずれも、APL治療に対して有効であることが知られており、併用した場合の相乗効果が期待されていた。新規診断APL患者を対象とした予備的な研究から、ATRA併用もしくは非併用の三酸化ヒ素の有効性が高く、血液毒性が低いことが示されていたが、質的に十分な試験で得られた結果ではなかった。

 著者らは、低~中リスクのAPL患者(白血球数が1万/μL以下)を対象に、ATRAと化学療法併用と、ATRAと三酸化ヒ素併用の有効性と安全性を比較するオープンラベルの多施設無作為化フェーズ3を非劣性試験の設計で実施した。

 患者登録は07年10月から10年9月に実施。条件を満たした18~71歳の新規診断患者を無作為にATRAと三酸化ヒ素の併用を用いた寛解導入と地固め療法群(三酸化ヒ素群)、または、ATRAと科学療法を併用した標準治療(標準的なATRAとイダルビシン併用による寛解導入とATRAと化学療法を併用した3サイクルの地固め療法、それに続くATRAと低用量化学療法を併用した維持療法)を行う群(化学療法群)に割り付けた。

 非劣性試験の主要転帰評価指標は、診断から2年時点の無イベント生存率(イベントは、追跡期間中のいずれかの時点での治療失敗、導入療法後の血液学的完全寛解達成なし、地固め療法後の分子遺伝学的完全寛解なし、分子遺伝学的再発、血液学的再発、または死亡)に設定した。

 156人(三酸化ヒ素群77人、化学療法群79人)がintention-to-treat分析の対象として条件を満たした。追跡期間の中央値は34.4カ月(レンジは0.5~55.8)だった。

 寛解導入によって血液学的完全寛解を達成したのは、三酸化ヒ素群77人全員(100%)と化学療法群79人中75人(95%)だった(P=0.12)。寛解達成までに要した時間は、それぞれ32日(22~68)と、35日(26~63)だった(P=0.61)。

 この期間の死亡は、化学療法群の4人で、2人がATRAの有害事象として知られるレチノイン酸症候群により、1人は虚血性心疾患により、もう1人は気管支肺炎により死亡していた。

 三酸化ヒ素群では2人が早期に治療中止となった。1人はプロトコル逸脱、もう1人は重症のQT延長が原因だった。

 中等症から重症のレチノイン酸症候群は、三酸化ヒ素群15人(19%)と化学療法群13人(16%)に発生した(P=0.62)。重症患者はどちらも5人だった(P=0.99)。

 導入療法中の白血球増加(1万/μL超)は、三酸化ヒ素群の47%、化学療法群の24%に見られた。どちらもヒドロキシウレアにより管理できた。

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