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NEJM誌から
ソフォスブビルは治療選択肢のないC型肝炎患者にもSVRを誘導
4件の第3相試験の結果から

 NS5Bポリメラーゼを阻害する核酸アナログ製剤であるsofosbuvirソフォスブビル)を様々なジェノタイプのC型肝炎ウイルスHCV)に感染している患者に投与したフェーズ3試験4件の結果が、2本の論文としてNEJM誌電子版に2013年4月23日に報告された。ソフォスブビルは様々な患者に、インターフェロンIFN)を用いた治療と同等以上の持続的なウイルスの陰性化(sustained virologic response:SVR)を誘導し、これまで治療の選択肢がなかった患者に利益をもたらすことが明らかになった。さらに、治療期間を延ばしたり、ペグインターフェロン(PEG-IFN)と併用するなどして、SVR達成率を高められる可能性も示された。

 米国では現在、HCVジェノタイプ1に感染している治療歴のない患者には、12~32週の経口プロテアーゼ阻害薬と24~48週のPEG-IFNα-2a+リバビリンによる治療が行われている。HCVジェノタイプ2または3感染者で使用できる直接作用型の抗ウイルス薬はなく、PEG-IFN+リバビリンの24週投与が推奨されている。しかし、IFNが禁忌だったり、IFNの使用を望まないなどの理由で、標準治療が適用できない患者が少なからず存在する。

 ソフォスブビルは、in vitroでは全てのジェノタイプに作用できることが示されており、臨床試験で治療抵抗性を付与するHCVの変異は見られていない。

PEG-IFN、リバビリンとの併用でSVR12達成率は90%に
 米Texas大学のEric Lawitz氏らは、2件のフェーズ3多施設試験、NEUTRINOFISSIONの結果を報告した。いずれも治療歴のない患者を対象に行い、主要転帰評価指標は治療終了から12週後までの持続的なウイルスの陰性化(SVR12)に設定していた。

 シングルアームのオープンラベル試験であるNEUTRINOは、米国内の56施設で12年6~8月に、HCVジェノタイプ1、4、5、6感染者327人(平均年齢52歳、89%がジェノタイプ1、9%がジェノタイプ4)を登録し、ソフォスブビル400mg/日(経口投与)+PEG-IFNα-2a(週1回皮下注射)+リバビリン(経口投与)を12週投与した。

 SVR12達成率は90%(95%信頼区間87-93)で、ヒストリカルコントロールの60%に比べて有意に高かった。ジェノタイプ1感染者のSVR12達成率は89%(ジェノタイプ1a感染者は92%、1b感染者では82%)、ジェノタイプ4感染者では96%だった。肝硬変のない患者のSVR12達成率は92%(89-95)、肝硬変がある患者では80%(67-89)だった。なお、肝硬変があるジェノタイプ1感染者のSVR12達成率は81%で、著者らによるとこの患者群のSVR達成率としてはこれまで報告がある中で最も高いという。

 オープンラベルのランダム化非劣性試験であるFISSIONは、11年12月~12年5月に米国、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、スウェーデン、オランダで患者を登録。HCVジェノタイプ2または3の感染者499人(ジェノタイプ3感染者が2感染者の約3倍登録されていた)を対象に、ソフォスブビル+リバビリンを12週(256人、平均年齢48歳)またはPEG-IFNα-2a+リバビリンを24週(243人、48歳)投与した。

 ソフォスブビル群もPEG-IFN群もSVR12達成率は67%だった。絶対差は0.3ポイント(-7.5から8.0)で、あらかじめ設定された非劣性のマージン(絶対差の信頼区間の下限が-15を下回らない)を超えなかったため非劣性が確認された。

 ソフォスブビル群のSVR12達成率は、ジェノタイプ2感染者が97%、ジェノタイプ3感染者では56%だった。PEG-IFN群ではジェノタイプ2感染者が78%、ジェノタイプ3感染者は63%だった。ベースラインで肝硬変があった患者ではSVR12達成率が低く、ソフォスブビル群が47%、PEG-IFN群は38%だった。

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