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NEJM誌から
便注入療法が再発性のC.difficile関連下痢症に有効
治癒率94%、バンコマイシン単独との率比は3倍

 抗菌薬治療を行っても再発を繰り返すClostridium difficileC.difficile)関連下痢症患者に対し、健常人の便懸濁液を経鼻十二指腸管を通じて注入する方法が、標準的なバンコマイシン療法に比べて有効であることが、無作為化試験で確認された。オランダAmsterdam大学のEls van Nood氏らが、NEJM誌電子版に2013年1月16日に報告した。

 C.difficile関連下痢症患者に対する抗菌薬治療は、患者の約15~26%には持続的な効果をもたらさず、また、再発患者に対する有効な治療法は確立されていない。

 再発性のC.difficile関連下痢症患者には、一般に、バンコマイシンを繰り返しまたは長期間投与する方法が用いられているが、再発回数が増えるたびに有効性は低下する。

 先に、再発を繰り返すC.difficile関連下痢症患者300人の腸に健康なドナーの便を注入したところ有効だったとする報告があったが、これまで無作為化試験による評価は行われていなかった。そこで著者らは、再発性C.difficile関連下痢症患者を対象に、便注入と、通常のバンコマイシン療法の有効性を比較するオープンラベルの無作為化試験を実施した。

 2008年1月から2010年4月まで、オランダの1施設で、18歳以上で、適切な抗菌薬治療後にC.difficile関連下痢症(軟便または水様便が1日に3回以上ある状態が2日以上継続、もしくは、48時間以内に8回以上の軟便がある状態で、便がC.difficile毒素陽性)が再発した患者43人を登録。

 以下の3通りの治療に割り付けた。

(1)バンコマイシン500mgを1日4回4~5日間経口投与し、続いてマクロゴール4Lを用いて腸の洗浄を行い、ドナー由来の便を懸濁した生理食塩水の上澄み部分を経鼻十二指腸管を利用して注入(17人)。ドナーは60歳未満の健康なボランティアとし、血液、便などを標本とした検査で既知の感染症がないことを確認できた人々の便を治療に使用した。

(2)標準的なバンコマイシン療法(500mgを1日4回14日間経口投与)のみ(13人)。

(3)標準的なバンコマイシン療法を行い、4日目または5日目に腸洗浄も実施(13人)。

 主要転帰評価指標は、再発なしの治癒、具体的には、C.difficile関連下痢症が消失し、治療開始から10週間再発がない患者の割合とした。

 当初はそれぞれ40人ずつ割り付ける計画だったが、(2)群と(3)群の患者に再発が多かったことから、データ安全性監視委員会が中間評価を実施し、その結果に基づいて試験の早期中止を勧告、実際に中止された。分析対象となったのは計42人の患者。

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