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NEJM誌から
過多月経のQOL改善にレボノルゲストレル-IUSが有効
従来の薬物療法と2年間比較したECLIPSE試験の結果

 過多月経は女性に広く見られる問題で、日常生活に大きな影響を及ぼす。英Birmingham大学のJanesh Gupta氏らは、プライマリケアを受診した過多月経患者を対象に2年間の無作為化試験を行い、レボノルゲストレル放出子宮内器具レボノルゲストレル-IUS)と通常の薬物療法の過多月経関連QOLへの影響を比較した。その結果、IUSの方がQOLをより改善することが示された。論文は、NEJM誌2013年1月10日号に報告された。

 過多月経により婦人科を受診する女性は少なくないが、実際の出血量と患者の訴えには差があることが多い。近年では出血量よりも、出血が女性の身体的、精神的健康と社会生活に及ぼす影響に基づいて重症度を評価する方向に、ガイドラインもシフトしている。

 レボノルゲストレル-IUSは、日本では避妊器具として用いられているが、欧米では数年前に、過多月経の治療に用いることが許可された。従来からの薬物療法とレボノルゲストレル-IUSの過多月経のQOLに対する長期的な影響を比較した研究はこれまで行われていなかったことから、著者らは、過多月経におけるレボノルゲストレル-IUSと通常の薬物療法を比較する多施設無作為化試験ECLIPSEを行った。

 05年2月から09年7月まで、英国内63施設で、25~50歳の女性で、過去3回以上の連続する月経が過多月経となっていた患者を登録。計571人の患者を、レボノルゲストレル-IUS(285人)または通常の薬物療法(286人)に無作為に割り付けた。「通常の薬物療法」は、トラネキサム酸、メフェナム酸、ノルエチンドロン、エストロゲン-プロゲステロン合剤、プロゲステロン単剤、酢酸メドロキシプロゲステロン注射の中から、患者の希望や避妊の必要性などに基づいて選択した。治療の変更や中止は可能とし、担当医が確認した。

 主要転帰評価指標は、患者自身の評価による過多月経関連QOL(menorrhagia multi-attribute scale;MMASを用いて評価。6領域からなり、スコア合計は0~100で低いほど重症)に設定し、intention -to-treatで分析した。2次評価指標は、全般的QOL(SF-36、EQ-5D、EQ-5D VASを用いて評価)、性的活動性(Sexual Activity Questionnaireを用いて評価)、外科的介入などに設定した。

 MMASスコアは6カ月、12カ月、24カ月の時点で評価した。両群ともに、どの評価時点でもベースラインに比べスコアは改善していたが、改善幅はIUS群の方が有意に大きかった。6カ月時の改善幅の平均は、IUS群が32.7ポイント、薬物療法群が21.4ポイント(P<0.001)で、2年の時点の群間差は13.4ポイント(95%信頼区間9.9-16.9ポイント、P<0.001)だった。どの評価時点においても、MMASの個々の領域(日常生活における問題、社会生活、家庭生活、仕事と日常の業務、精神的健康、身体的健康)のスコアはすべてIUS群の方が有意に良好だった。

 IUS群の利益はBMIと有意な関係を示した(P=0.004)。BMIが25以下の女性より25超の女性でMMASスコアの改善は大きかった。

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