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NEJM誌から
ICU入院患者の低血糖イベントは死亡リスク上昇に関係
NICE-SUGAR試験の事後解析結果

 ICUに入院している患者の中等症以上の低血糖イベントが90日以内の死亡リスクと有意に関係することが、NICE-SUGAR試験の事後解析で明らかになった。オーストラリアSydney大学のSimon Finfer氏らが、NEJM誌2012年9月20日号に報告した。

 ICUに入院している患者には高血糖が起こりやすく、重症高血糖を呈する患者の死亡と合併症のリスクは高いことが知られている。そこで、これまでにICU入院患者を対象に血糖管理の利益を調べる研究が複数行われたが、一貫した結果は得られていなかった。

 著者らは先に、42施設で多施設無作為化試験NICE-SUGAR(Normoglycemia in Intensive Care Evaluation-Survival Using Glucose Algorithm Regulation)を行い、ICU入院患者の血糖を厳格に管理するとかえって死亡リスクが上昇することを示している。だが、そのメカニズムは明らかではなかった。この試験では、血糖厳格管理群の患者は低血糖イベントを起こしやすかったこと、また、観察研究などにおいて、低血糖イベントが死亡の独立した予測因子であることを示す研究結果が報告されていることから、著者らは、NICE-SUGAR試験のデータを事後解析して、中等症(41~70mg/dL)または重症(40mg/dL以下)の低血糖と死亡リスクの関係を調べることにした。

 NICE-SUGAR試験では、ICUに3日以上入院すると予想された、低血糖リスクの上昇はない重体患者6104人を登録し、無作為に血糖厳格管理(81~108mg/dLを目標域とする)または標準管理(180mg/dL以下を目標とする)に割り付けた。血糖管理は、患者が食事を始めるまで、またはICUから退院するまで、もしくは死亡するまで継続した。

 主要評価指標は90日死亡に設定し、データがそろっていた6026人(厳格管理群3013人、標準管理群3013人)を分析対象にした。割り付け群、ベースラインと割り付け後の共変数で調整し、Cox回帰分析を行ってハザード比を求めた。

 2714人(45.0%)が中等症の低血糖を経験していた。うち2237人(82.4%)は厳格管理群(厳格管理群の74.2%に相当)、477人が標準管理群だった(標準管理群の15.8%に相当)。

 重症低血糖は223人(3.7%)に発生。うち208人(93.3%)が厳格管理に割り付けられた患者(厳格管理群の6.9%に相当)、15人が標準管理群の患者だった(標準管理群の0.5%に相当)。

 割り付けから低血糖発生までの中央値は、中等症低血糖では1日(四分位範囲は0~2日)、重症低血糖では4日(2~9日)だった。

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