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NEJM誌から
吸ステ+LABAにチオトロピウム追加で増悪リスク低下
日本を含む15カ国で行われたPrimoTinA-asthma試験の結果

 吸入ステロイド長時間作用型β2刺激薬LABA)を使用していても十分に管理できない成人喘息患者にチオトロピウムを追加投与すると、重症増悪リスクが低下し、肺機能もやや改善することが、日本を含む15カ国で行われた二重盲検無作為化試験で明らかになった。オランダGroningen大学のHuib A.M. Kerstjens氏らが、NEJM誌電子版に2012年9月3日に報告した。

 一部の喘息患者は、吸入ステロイドとLABAを使用していても、頻繁な増悪と持続する気道閉塞に苦しむ。こうした患者が利用できる治療は限られており、いずれも、有効性、安全性、送達方法などの点で患者の期待に応えられるとは言い難い。長時間作用型の気管支拡張薬を追加するという選択肢については、抗コリン性の気管支拡張薬で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に適用されているチオトロピウムを用いた短期間の試験が、その有用性を示唆していた。

 著者らは、チオトロピウムを加えるレジメンの有効性と安全性をより長期間追跡して評価すべく、同様の設計の2件の無作為化試験PrimoTinA-asthma 1PrimoTinA-asthma 2を、08年10月から11年7月まで15カ国で実施した。

 登録したのは、18~75歳で、40歳前に喘息と診断され、喘息歴が5年以上の患者。高用量吸入ステロイド(ブデゾニド800μg以上またはこれに相当する用量の吸入ステロイド)とLABAを使用していても、喘息管理質問票7(ACQ-7)スコア(0~6で6が最も障害が大きい)が1.5以上で、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)が予測値の80%以下かつ努力肺活量が70%以下、前年にステロイドの全身性投与を必要とする重症増悪を1回以上経験しており、喫煙歴が全くない、または、10pack-years未満の喫煙歴があるが前年1年間は喫煙していない人々とした。COPD歴のある患者は除外した。

 肺機能に関する主要評価指標は、24週時点のピークFEV1(吸入ステロイド+LABA+チオトロピウムまたは偽薬使用から3時間以内の最高値)と、トラフFEV1(それらの薬剤の投与から24時間後で次の使用の直前に測定した値)に設定し、ベースラインからの変化を比較した。さらに、初回の重症増悪(全身性ステロイドによる治療を開始、または全身性ステロイドの用量を倍加して3日以上継続が必要になった場合)も主要評価指標として48週後まで追跡した。

 全体で912人の患者(平均年齢53歳)を登録した。試験1は459人を登録し、237人をチオトロピウム、222人を偽薬に割り付けた。試験2では453人を登録し、219人をチオトロピウム、234人を偽薬に割り付けた。チオトロピウム群は、ソフトミスト吸入器を用いてチオトロピウム(総用量5μg)を吸入、偽薬群も同様の機器を用いて偽薬を吸入した。投与期間はいずれも48週間。吸入ステロイド、LABA、徐放性テオフィリン、抗ロイコトリエン薬、経口ステロイドなど、登録時に持続的に使用していた薬剤はそのまま継続した。

 分析対象にしたのは、割り付け薬を1回以上使用し、1回以上の評価を受けていた907人の患者だ。ベースラインのFEV1の平均は予測値の62%だった。

 24週時点でピークFEV1のベースラインからの変化は、どちらの試験でも偽薬群よりチオトロピウム群で大きかった。試験1の両群間の差は86±34mL(P=0.01)、試験2では154±32mL(P<0.001)。チオトロピウム群では、偽薬群に比べトラフFEV1の改善も大きかった。試験1では差は88±31mL(P=0.01)、試験2では111±30mL(P<0.001)だった。

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