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NEJM誌から
ラクナ梗塞の二次予防、アスピリンへのクロピドグレル併用効果は認められず
アスピリン単剤と予防効果に差はなく出血と死亡が増加、SPS3試験の結果

 ラクナ梗塞二次予防を目的にアスピリンクロピドグレルを併用しても、アスピリン単剤投与を上回る脳卒中予防効果は得られず、出血と死亡リスクが有意に上昇することが、カナダBritish Columbia大学のOscar R. Bernavente氏らが行った多施設無作為化試験SPS3で示された。論文は、NEJM誌2012年8月30日号に掲載された。

 ラクナ梗塞は、脳内の細い血管の異常によって発生する脳卒中で、虚血性脳卒中の約25%を占めるといわれている。ラクナ梗塞に対する世界的な標準治療はアスピリンによる抗血小板療法だ。一方、心房細動患者と急性冠症候群患者では、アスピリンにクロピドグレルを追加すると脳卒中リスクが低下すること、一方で出血リスクは増加することが示されていた。著者らは、ラクナ梗塞の患者にもクロピドグレルとアスピリンを併用すれば転帰が向上する可能性があると考え、二重盲検の多施設試験SPS3を行った。

 北米、中南米、スペインの82施設で、03年から11年まで患者登録を実施した。症候性のラクナ梗塞を発症してから180日以内で、MRIによりラクナ梗塞であることが確認された30歳以上の患者3020人(平均年齢は63歳、63%が男性)を登録。全員にアスピリン325mg/日を投与すると共に、クロピドグレル75mg(1503人)または偽薬(1517人)に無作為に割り付けて、毎日投与した。

 この試験は、収縮期血圧の目標域を2通り設定して、通常管理と厳格管理の転帰への影響も評価する2×2ファクトリアルデザインで行われた。今回は、抗血小板療法に関する比較について報告している。

 主要転帰評価指標は、あらゆる脳卒中(硬膜下血腫を含むあらゆる頭蓋内出血または虚血性脳卒中)の再発に、2次評価指標は急性心筋梗塞と死亡に設定。主要安全性評価指標は、主要な頭蓋外出血(重症または生命を脅かす出血で、赤血球輸血または外科的処置を必要とする、永続する機能的後遺症をもたらす、死に至る、のいずれかに該当するもの)とした。

 抗血小板薬に関する比較では、2剤併用の有効性が示せなかった上に有害事象が増加したことから、抗血小板薬の投与は11年8月に早期中止された。中止までの平均追跡期間は3.4年で、263人が脳卒中の再発を経験していた。224人(85%)は虚血性脳卒中、34人(13%)は頭蓋内出血と診断された。5人(2%)については画像診断が行われておらず、脳卒中のタイプは不明だった。

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