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NEJM誌から
トファシチニブが活動性潰瘍性大腸炎の症状を軽減
194人を対象としたフェーズ2試験の結果

 新たなヤヌスキナーゼ阻害薬トファシチニブtofacitinib)を中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎に8週間投与して有効性と安全性を評価した無作為化試験の結果が、NEJM誌2012年8月16日号に掲載された。著者の米California大学San Diego校のWilliam J. Sandborn氏らは、トファシチニブ群では偽薬群に比べて、臨床反応を示す患者と、臨床的寛解を達成する患者が有意に多いことを示した。

 慢性炎症性疾患の1つである潰瘍性大腸炎の患者の多くは、寛解と再燃を繰り返す。既存の治療はすべての患者に有効というわけではなく、強い毒性が見られる場合もあるため、新たな選択肢を望む声は高い。

 トファシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)1、2、3を阻害する経口薬で、インターロイキン2、4、7、9、15、21といったγ鎖を保有するサイトカインの信号伝達を阻止すると考えられている。これらのサイトカインは、リンパ球の活性化や機能、増殖に不可欠だ。トファシチニブについては、移植された臓器に対する拒絶反応の抑制に役立つほか、関節リウマチと乾癬の治療薬として有望であることが示されている。

 この二重盲検の多施設無作為化フェーズ2試験は、17カ国の51施設で、09年1月から10年9月まで行われた。組み入れ条件は、18歳以上で、潰瘍性大腸炎の確定診断から3カ月以上経過しており、Mayoスコアが6~12ポイントで、Mayoスコアの内視鏡所見サブスコアが2(中等症)または3(重症)の活動性潰瘍性大腸炎と判断された患者とした。

 Mayoスコアは潰瘍性大腸炎の重症度や活動性の指標で、4つのサブスコア(排便回数、直腸からの出血、内視鏡所見、医師による全般性評価)からなり、それぞれ3ポイントで評価する。スコアの合計は0から12の間で、高スコアほど重症であることを示す。

 条件を満たした194人を登録し、無作為に2対2対2対3対3の割合になるよう、トファシチニブ0.5mg(31人)、3mg(33人)、10mg(33人)、15mg(49人)、または偽薬(49人)に割り付けて、1日2回、8週間投与した。潰瘍性大腸炎治療薬として用いられているメサラミンまたはプレドニゾンの経口投与は可能とした。

 主要評価指標は8週時の臨床反応とし、Mayoスコアのベースラインからの改善(絶対低下が3ポイント以上で、相対的な低下が30%以上)が認められ、さらに直腸からの出血のサブスコアが1ポイント以上低下、または0または1になった場合を「臨床反応あり」と判定した。分析はintention-to-treatで行った。

 8週間の治療を完了したのは157人(80.9%)だった。

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