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NEJM誌から
トファシチニブの活動性RAへの有効性、2件のフェーズ3試験で示される
ORAL Solo試験、ORAL Standard試験の結果

 新たな経口ヤヌスキナーゼ阻害薬で、関節リウマチRA)に対する標的免疫調節薬、疾患修飾薬として開発されているトファシチニブを活動性RA患者に単剤投与したフェーズ3試験と、メトトレキサートと併用したフェーズ3試験の結果が、NEJM誌2012年8月9日号に同時掲載された。いずれも、トファシチニブ投与群には、対照群と比べて有意なRAの活動性低下と身体機能の改善が見られた。

単剤投与で3カ月後に6割がACR20達成
 1つ目のフェーズ3試験は、活動性RAの成人患者にトファシチニブを単剤投与して有効性と安全性を評価した無作為化二重盲検試験ORAL Solo試験。米Metroplex臨床研究センターのRoy Fleischmann氏らが、世界の94施設で09年2月から10年6月まで行った。試験期間は6カ月で、1剤以上の抗リウマチ薬(生物製剤を含む)に反応しない、または不忍容の患者と、安定用量のクロロキン以外の全ての抗リウマチ薬の使用を中止した患者を登録した。

 611人の患者を、(1)トファシチニブ5mgを1日2回6カ月間、(2)トファシチニブ10mgを1日2回6カ月間、(3)偽薬を3カ月投与後、トファシチニブ5mgを1日2回3カ月間、(3)偽薬を3カ月投与後、トファシチニブ10mgを1日2回3カ月間―のいずれかに、4対4対1対1の割合で割り付けた。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とステロイド薬の使用は許可した。

 主要評価指標は、3カ月の時点のACR20(米リウマチ学会の疾患活動性の評価基準で、ベースラインから20%の改善を示す)達成者の割合、ベースラインからの健康評価質問票機能障害指数(HAQ-DI;0から3の範囲で高スコアほど障害が大きい)スコアの変化、赤血球沈降速度(ESR)に基づく疾患活動性スコア(DAS28-4〔ESR〕;スコアは0~9.4で高スコアほど活動性が高い)が2.6未満(寛解と見なす)の患者の割合に設定。1回以上割り付け薬を使用した患者を対象に、modified intention-to-treat分析した。3カ月時点では、当初偽薬に割り付けられた2つのグループを合わせて偽薬群とした。

 555人が6カ月の試験を完了した。脱落が最も少なかったのはトファシチニブ5mg群だった。分析対象になったのは610人の患者。2つの偽薬群を合わせた122人と、トファシチニブ5mg群(243人)、10mg群(245人)の平均年齢は49.7~52.4歳、RA歴は7.7~8.6年で、全体の86.6%が女性だった。

 3カ月の時点で、ACR20達成者は偽薬群に比べトファシチニブ群に多かった。偽薬群は26.7%、5mg群は59.8%(P<0.001)、10mgは65.7%(P<0.001)。

 ベースラインからのHAQ-DIスコアの変化も、偽薬群よりトファシチニブ群で大きかった。偽薬群は-0.19ポイント、5mg群は-0.50ポイント(P<0.001)、10mg群は-0.57ポイント(P<0.001)。

 DAS28-4〔ESR〕が2.6未満の患者も、トファシチニブ群に多かったが、差は有意でなかった。偽薬群は4.4%、5mg群は5.6%(P=0.62)、10mg群は8.7%(P=0.10)。

 多く見られた有害事象は頭痛や上気道感染で、トファシチニブ群の6人が重篤な感染症を経験した。また、トファシチニブはLDL-C値の上昇と好中球数の減少に関係していた。

 得られた結果は、活動性RA患者に対するトファシチニブ単剤投与の有効性を示した。

メトトレキサートとの併用でも偽薬に優る効果
 一方、スウェーデンKarolinska研究所のRonald F. van Vollenhoven氏らは、メトトレキサートを使用している活動性RA患者を対象に、トファシチニブまたはアダリムマブの併用効果を偽薬と比較する12カ月間のフェーズ3試験ORAL Standardを、世界の115施設で、09年1月30日から11年2月10日まで実施した。

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