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NEJM誌から
卵アレルギーの経口免疫療法、3年時点で25%が卵の摂取可能に
卵白粉末を22カ月投与し、24カ月時の負荷試験合格者のみ卵製品の摂取を開始

 小児の卵アレルギー患者を対象に、卵白粉末を投与する経口免疫療法を22カ月行った無作為化二重盲検試験で、24カ月時点の経口負荷試験に合格した患者が28%存在し、それらの患者の1人を除く全員(全体の25%)が、卵を自由に食べても反応が出ない状態が36カ月時点まで持続していたことが、米Duke大学医療センターのA. Wesley Burks氏らの報告で明らかになった。論文は、NEJM誌2012年7月19日号に掲載された。

 卵アレルギーに対する治療法として現時点で認められているのは、卵の摂取回避のみだ。しかし、卵は様々な食品に含まれているため、完全に排除することは難しい。著者らは、二重盲検の多施設無作為化試験を行い、経口免疫療法により持続的な効果が得られる患者がどの程度存在するのかを明らかにしようと考えた。

 5~11歳の卵アレルギー患者55人(年齢の中央値は7歳)を5カ所の医療施設で登録し、卵白粉末(40人)または偽薬(15人)に割り付け、毎日投与した。他の卵含有製品の摂取は避けるよう指導した。卵アレルギーは、摂取後数分から2時間後までに症状が現れる患者で、卵に特異的なIgEの血清濃度が、5歳児では12kU/L超、6歳以上では5kU/L超と定義した。卵接種後にアナフィラキシーを起こしたことがある小児は除外した。

 主要評価指標は、22カ月間の経口免疫療法後に、卵を摂取しても反応しない状態が持続することとした。2次評価指標は、免疫療法中の脱感作(10カ月時点の経口負荷試験では5gの卵白粉末、22カ月時点の経口負荷試験では10gの卵白粉末を投与し、臨床的に意義のあるアレルギー反応を示すことなくこの量を摂取できた〔=合格判定を得た〕場合と定義した)と、経口免疫療法の安全性に設定した。

 用量漸増期、増量期、維持期と免疫療法を進める中で、卵白粉末を用いた経口負荷試験を10カ月と22カ月の時点で実施した。偽薬群については、負荷試験は、卵特異的なIgEレベルが2kU/L未満の患者のみに実施した。偽薬の投与は10カ月で中止し、それ以降は免疫療法群のみ、オープンラベルで治療を継続した。22カ月時の負荷試験に合格した患者については、経口免疫療法を中止して、全ての卵製品の摂取を4~6週間回避するよう指示した。

 24カ月時点で、卵白粉末10gを投与し、さらに1時間後に調理した卵1個を与える経口負荷試験を行い、反応が出ない状態が持続しているかどうかを調べた。この検査に合格した小児には自由に卵を摂取することを許可し、30カ月と36カ月の時点で、全卵の摂取が続いているかどうか、摂取後に有害事象が見られるかどうかを調査した。

 10カ月時の経口負荷試験に合格した患者は、免疫療法群の55%(40人中22人)で、偽薬群には1人もいなかった。合格者22人中14人は負荷試験において症状なし、7人には軽い症状が見られたが治療なしで消失、1人は中等度の症状(喉の不快感)を経験したが、やはり治療なしに回復していた。これら22人の患者は脱感作されたと見なされた。

 続いて22カ月の時点では、免疫療法群の75%(40人中30人)が負荷試験に合格し、脱感作したと見なされた。

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