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NEJM誌から
ハイリスク感染性心内膜炎への早期手術で死亡+塞栓が9割減
10mm径の疣贅を有する76人を対象とした無作為化試験の結果

 全身性塞栓症のリスクが高い感染性心内膜炎で、直径10mm超の大きな疣贅形成が認められる患者に早期の外科的介入を行うと、標準的な治療に比べて6週間以内の死亡または塞栓イベントのリスクが10分の1になることが、無作為化試験で明らかになった。韓国蔚山大学のDuk-Hyun Kang氏らが、NEJM誌2012年6月28日号に報告した。

 感染性心内膜炎治療における手術の有用性については認識が広まりつつある。現行のガイドラインは、合併症のある左心系の感染性心内膜炎患者に対する手術の適用を支持しており、特に、うっ血性心不全がある患者には早期の手術が強く勧められている。しかし、全身性塞栓症の予防を目的とする手術の利益とリスクについては明らかになっておらず、外科的な介入を行うタイミングと適応となる患者についても議論があった。

 著者らは、早期の手術適用と標準的な治療を適用した場合の臨床転帰を比較するために、無作為化試験EASE(the Early Surgery versus Conventional Treatment in Infective Endocarditis trial)を実施した。

 韓国の2つの医療施設で、06年9月から11年3月まで患者登録を行った。18歳以上で、改変Duke診断基準に基づいて左心系の感染性心内膜炎という確定診断が下った患者のうち、塞栓リスクが高く、自然弁の感染で、大動脈弁または僧帽弁に重度の障害が認められ、直径10mm超の大きな疣贅形成が認められる人々を連続で76人(平均年齢は47歳、男性が67%)登録した。除外条件は、中等症から重症のうっ血性心不全あり、心ブロックを合併、大動脈弁の基部や弁輪部に膿瘍あり、膿瘍の穿孔があり緊急手術が必要、真菌性の心内膜炎、80歳超、診断から7日超経過などとした。

 37人を早期手術(割り付けから48時間以内に実施)、39人をAHAのガイドラインに基づく標準的な治療に割り付けた。標準治療群の患者に対する手術の適用は、薬物療法中に合併症によって緊急手術が必要になった場合と、抗菌薬投与が終了しても症状が持続していた場合に限定した。

 主要評価指標は、割り付けから6週間以内の院内死亡と塞栓イベントを合わせた複合イベントに設定。2次評価指標は、6カ月の時点の全死因死亡、塞栓イベント、感染性心内膜炎の再発などとした。

 登録患者のうち、僧帽弁に障害が見られた患者は45人、大動脈弁に障害が見られた患者は22人、これら両方に障害が認められた患者は9人だった。僧帽弁の逆流が重症だった患者は23人、大動脈弁の逆流が重症だった患者は3人、重症の僧帽弁逆流と狭窄が見られた患者が1人、これら2つの弁の両方に重症の逆流が見られた患者が4人いた。疣贅の直径の中央値は12mmだった。

 両群の患者に用いられた抗菌薬の種類と投与期間に差はなかった。

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