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NEJM誌から
コーヒーの摂取量が多いほど死亡リスクは低い
米国で行われた過去最大規模の前向き研究、喫煙などで調整すると有意な逆相関

 コーヒーの摂取量と死亡の関係を調べた過去最大規模の前向き研究で、男女ともに、コーヒーを全く飲まない人に比べ、より多く摂取する人の方が死亡リスクは低いことが明らかになった。米国立癌研究所のNeal D. Freedman氏らが、NEJM誌2012年5月17日号に報告した。

 コーヒーは世界中で最も消費されている飲み物の1つだが、コーヒーの摂取と死亡リスクの関係は明らかになっていなかった。コーヒーはカフェインを含むため、常飲するのは健康的ではないと長らく考えられてきたが、近年、コーヒーには抗酸化作用を持つ成分などが豊富に含まれており、コーヒーの摂取が炎症マーカーの値やインスリン抵抗性を改善するという研究結果も報告されるようになった。

 そこで著者らは、極めて大規模な集団を対象に、コーヒーの摂取と全死因死亡、死因特異的死亡の関係を調べることにした。対象となったのは、米国立衛生研究所のAARP Diet and Healthスタディに参加した50~71歳の男女だ。AARPは米国の50歳以上の男女を会員とするNPOで、世界最大の高齢者団体だ。

 ベースラインで癌、心疾患だった患者や、脳卒中の既往があった人は除外した。コーヒー摂取量は、人口統計学的要因、ライフスタイル要因、124品目の食品の摂取状態などと共にベースラインで調査した。条件を満たした22万9119人の男性と17万3141人の女性を、1995年から死亡まで、または2008年末まで追跡した。

 ベースラインでコーヒーを全く飲まないと答えた人々に比べ、コーヒー摂取者には喫煙者が多く、1日の飲酒量や赤身肉の摂取量も多かった。加えて、コーヒー摂取群の学歴は低く、積極的に運動する人は少なく、野菜や果物、白身肉の摂取量も少なかった。一方、コーヒー摂取者、特に女性では糖尿病の有病率が低かった。コーヒー摂取者の約3分の2が、カフェインを含むコーヒーを主に摂取すると回答していた。

 13.6年(中央値)、514万8760人-年の追跡期間中に、男性は3万3731人、女性は1万8784人が死亡した。年齢調整モデルでは、死亡リスクは男女共にコーヒー摂取者の方が高かった。しかし、コーヒー摂取群には喫煙者が多かったため、喫煙歴やその他の交絡因子候補を調整に加えたところ、コーヒー摂取量と死亡リスクの間に有意な逆相関関係が見られるようになった。

 コーヒーを全く飲まない人々を参照群として求めた死亡の調整ハザード比は、男性では、コーヒー摂取量が1日に1杯未満のグループが0.99(95%信頼区間0.95-1.04)、1日1杯は0.94(0.90-0.99)、2~3杯は0.90(0.86-0.93)、4~5杯は0.88(0.84-0.93)、6杯以上では0.90(0.85-0.96)となった(傾向性のP<0.001)。

 同様に、女性ではそれぞれ1.01(0.96-1.07)、0.95(0.90-1.01)、0.87(0.83-0.92)、0.84(0.79-0.90)、0.85(0.78-0.93)になった(傾向性のP<0.001)。

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