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NEJM誌から
生殖補助医療による妊娠は先天異常リスクが1.3倍
自然妊娠と比較したオーストラリアのコホート研究

 生殖補助医療を受けての妊娠と自然妊娠では、出生児の先天異常の発生率は異なるだろうか。両者の先天異常発生率を比較する住民ベースのコホート研究を行ったオーストラリアAdelaide大学のMichael J. Davies氏らは、生殖補助医療による妊娠では、出生児が先天異常を有するリスクが約30%高いことを報告した。論文は、NEJM誌2012年5月10日号に掲載された。

 これまでに、メタ分析を含む様々な研究によって、体外授精顕微授精と出生児の先天異常の間に有意な関係があることが示されていた。だが、生殖補助医療の適用による先天異常リスクの上昇が、治療自体に起因するのか、それとも治療が必要な不妊症であるという親の要因に起因するのかは明らかではなかった。そこで著者らは、人口160万人の南オーストラリア州で妊娠した女性の妊娠転帰と出生児の先天異常の有無を分析した。

 同州では、Adelaide大学とFlinders大学の2施設のみに生殖補助医療の実施が許されている。著者らは、それらの施設が1986年1月から2002年12月までに行った全ての不妊治療に関する情報を得た。

 また同州では、20週以降または体重400g以上でのすべての出産と流産、死産に関する情報と母親の健康状態に関する情報を、南オーストラリア周産期統計に報告することが義務付けられている。また、先天異常登録として、5歳の誕生日までに明らかになった先天異常の全て(脳性麻痺とあらゆる妊娠週数での先天異常による中絶または流産を含む)を登録している。

 著者らは、これらの情報を関連づけて、生殖補助医療を受けた女性の妊娠と、過去に生殖補助医療を受けて妊娠した女性の自然妊娠、不妊と診断されていたが生殖補助医療は受けていなかった女性の妊娠、不妊症の記録がない女性の妊娠について、出生児が妊娠中から5歳の誕生日より前に先天異常と診断されるリスクを推定、比較した。

 20歳以上の母親の30万8974件の妊娠のうち、6163件が生殖補助医療によるものだった。あらゆる先天異常の発生率は、生殖補助医療による妊娠では8.3%(513件)で、不妊症診断歴がない女性の自然妊娠の5.8%(1万7546件)に比べて高かった。未調整オッズ比は1.47(95%信頼区間1.33-1.62)。母親の年齢、経産回数、胎児の性別、母親の人種、母親の出生国、妊娠の状態、母親の妊娠中の喫煙歴、社会経済的地位、両親の職業などで調整したオッズ比も1.28(1.16-1.41)と、有意差を示した。

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