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NEJM誌から
心臓手術ができない施設でも待機的PCIは安全に施行可能
6週死亡率と9カ月間の有害事象で非劣性、CPORT-E試験の結果

 心臓血管外科のバックアップはないが、緊急時の搬送体制が整えられており、PCIプログラムが確立されている病院では、ハイリスク患者を対象から除外すれば、プライマリPCIのみならずそれ以外のPCIも安全に行えることが明らかになった。米Johns Hopkins Medical InstitutionsのThomas Aversano氏らによる無作為化試験の結果で、論文は、NEJM誌電子版に2012年3月25日に掲載された。

 PCIは、合併症が発生して緊急外科手術が必要になるリスクを想定し、原則として心臓外科手術が可能な病院で行うことになっている。確かに、PCIの普及当初は、受けた患者の10%が緊急手術を必要としたが、2002年にはその割合は0.15%まで低下している。さらに、手術が行えない施設でST上昇心筋梗塞患者に対するプライマリPCIを行っても安全で、薬物療法より転帰は良好であることを示す研究結果も発表され、それ以降、心臓血管外科のバックアップがない施設でもプライマリPCIが行われるようになった。

 プライマリPCIだけでなく、待機的PCIや非ST上昇急性冠症候群患者に対するPCIもバックアップのない施設でできるようになれば、各施設でのPCI実施件数は増え、患者の適切な治療へのアクセスも容易になるはずだ。だが、プライマリPCI以外のPCIを実施した場合のリスクと利益のバランスは明らかではなかった。

 米ACCF/AHA/SCAIのPCIガイドラインは、2011年の改訂版でも、心臓血管外科のバックアップはないがPCIプログラムを持つ施設におけるプライマリPCIは「クラスIIa(おそらく有効)」、同様の施設でのそれ以外のPCI実施は「クラスIIb(有効性が確立されていない)」に分類している。

 そこで著者らは、心臓外科手術を行えない施設でも手術を行える施設と同様にプライマリPCI以外のPCIを安全に行えるかどうか評価するため、非劣性試験CPORT-Eを実施した。

 米国内10州の病院の中から、心臓外科手術は行えないが、プライマリPCIを24時間実施できる体制を備え、年間200件以上のPCIを実施可能で、緊急手術が必要な場合に患者を近隣の3次病院に搬送する体制を整えている60カ所を、「バックアップなし施設」として選んだ。一方、心臓血管外科のバックアップがある施設(「バックアップあり施設」)は、あらゆる3次病院とした。

 06年4月7日から11年3月31日まで、患者登録を実施した。18歳以上の安定冠疾患または急性冠症候群の患者のうち、プライマリPCIが必要な患者と、ハイリスク患者は除外し、全ての病変についてバックアップのない施設でのPCIが可能であると推定された患者1万8867人を登録。3対1の割合で、バックアップのない施設(1万4149人)とバックアップのある施設(4718人)に割り付けた。

 主要エンドポイントは、6週時の全死因死亡と9カ月時の主要な心血管有害事象(全死因死亡、Q波心筋梗塞、標的血管への血行再建術再施行を合わせた複合イベント)に設定、intention-to-treatで分析した。非劣性のマージンは、6週時点の死亡率の差が0.4ポイント、9カ月時点の主要な心血管有害事象の発生率の差が1.8ポイントとした。

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