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NEJM誌から
ドネペジルは中等症から重症アルツハイマー病にも有効
約300人を対象としたDOMINO試験の結果

 軽症から中等症のアルツハイマー病に対する治療薬として用いられているコリンエステラーゼ阻害薬ドネペジルに、中等症から重症のアルツハイマー病患者の認知機能の低下を遅らせる効果もあることが、英London大学King’s CollegeのRobert Howard氏らが行った二重盲検無作為化試験で明らかになった。メマンチン追加の利益は確認されなかった。論文は、NEJM誌2012年3月8日号に掲載された。

 軽症から中等症のアルツハイマー病治療におけるコリンエステラーゼ阻害薬の有効性は、これまでに行われた臨床試験で示されている。だが、病状が進行し、中等症から重症となった患者が使用を継続した場合の利益は明らかではなかった。一部の治療ガイドラインは、「アルツハイマー病が進行したらコリンエステラーゼ阻害薬の使用は中止する」としているが、中止の必要性を調べた研究はほとんどなかった。

 そこで著者らは、ドネペジルを使用中の中等症から重症の患者に対して、ドネペジルの投与を継続する方法と、メマンチンに切り替える方法、さらにはこれら2剤を併用する方法の有効性を比較する1年間の多施設無作為化試験DOMINOを実施した。

 目的は、中等症から重症の患者がドネペジルの使用を継続した場合と中止した場合の認知機能と身体機能への影響の違い、ドネペジルを中止しメマンチンに切り替えた場合の利益、そして、ドネペジルとメマンチンの併用が相加または相乗効果をもたらすかどうかを評価することだ。

 試験は2×2ファクトリアルデザインで行われ、08年2月から10年3月に患者登録を行った。

 中等症から重症のアルツハイマー病患者(認識機能の指標である標準化Mini-Mental State Examination〔SMMSE、スコア幅は0~30で、高いほど認知機能は良好〕のスコアが5~13)のうち、ドネペジルを3カ月以上継続投与されており、直近6週間は10mgの用量だった地域在住(在宅)の295人を登録。(1)ドネペジル10mgを継続+メマンチンの偽薬(73人)、(2)ドネペジルの偽薬+メマンチンの偽薬(73人)、(3)ドネペジルの偽薬+メマンチン5mg(20mgまで増量)(76人)、(4)ドネペジル10mgを継続+メマンチン5mg(20mgまで増量)(73人)―のいずれかに割り付け、52週間治療を行った。

 主要転帰評価指標は、SMMSEのスコアとBristol Activities of Daily Living Scale(BADLS、介護者が評価し、スコア幅は0~60で高いほど障害が大きい)に設定。2次評価指標は、Neuropsychiatric Inventory(NPI、認知症患者の精神症状を評価。スコア幅は0~144で高いほど症状は深刻)などとした。臨床的に意義のある差は、SMMSEでは1.4ポイント以上、BADLSでは3.5ポイント以上、NPIは8ポイント以上とあらかじめ定義した。

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