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NEJM誌から
強化療法におけるアトルバスタチンとロスバスタチン、アテローム病変退縮効果に有意差みられず
冠動脈のアテローム容積率(PAV)を比較したSATURN試験の結果

 最大用量のアトルバスタチンまたはロスバスタチンを用いたスタチン強化療法冠動脈アテローム病変に及ぼす影響を比較した無作為化試験で、指標としたアテローム容積率PAV)の減少効果は両剤で認められたものの、両剤間では有意差はみられなかったことが明らかになった。米Cleveland ClinicのStephen J. Nicholls氏らが、NEJM誌2011年12月1日号に報告した。

 スタチンは心血管イベントを予防する。また、スタチン強化療法は冠動脈のアテローム性動脈硬化の進行を遅らせることが示されている。それらの作用はLDL-c値を低下させる能力に比例すると考えられており、スタチン療法の主眼はLDL-c値を下げることに置かれている。

 現在使用可能なスタチンのLDL-c降下作用とHDL-c上昇作用には差がある。LDL-c降下作用が最も大きいのがアトルバスタチンとロスバスタチンだ。これら2剤の直接比較では、ロスバスタチンの方がLDL-c降下作用とHDL-c上昇作用が大きいという結果が示されている。だが、そうした効果の差が、臨床転帰、すなわちアテローム性動脈硬化の進行や心血管イベント発生に及ぼす影響を比較した無作為化試験は、これまで行われていなかった。

 そこで著者らは、米国で投与可能な最大用量のアトルバスタチンまたはロスバスタチンを用いてアテローム性動脈硬化の進行に及ぶ影響を比較する、二重盲検の前向き無作為化試験SATURNを実施した。

 08年1月22日から09年6月12日まで、世界の208施設で患者登録を行った。18~75歳で、臨床的に必要とみなされた冠動脈造影で1本以上の血管に20%以上の狭窄が認められ、標的血管の狭窄が50%未満の患者を登録。直近4週間にスタチン投与を受けていなかった患者についてはLDL-cが100mg/dL超、スタチン投与を受けていた患者ではLDL-cが80mg/dL超を組み入れ条件とした。

 条件を満たした患者を、1対1でアトルバスタチン40mg/日またはロスバスタチン20mg/日に割り付け、2週間投与して有害事象と服薬遵守率を調べた。このランイン期間の終了時に、LDL-cが116mg/dL未満でトリグリセリド値が500mg/dL未満だった患者1385人を、再び、いずれも最大用量となるアトルバスタチン80mg(691人)またはロスバスタチン40mg(694人)に無作為に割り付けて、104週間投与した。

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