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NEJM誌から
新生児ヘルペスへのアシクロビル静注後、6カ月の経口投与で神経発達が改善
皮膚病変の再発も減少、二重盲検無作為化試験の結果

 新生児単純ヘルペスウイルスHSV)感染後は、神経学的障害と皮膚病変の再発が高頻度に発生する。米Alabama大学Birmingham校のDavid W. Kimberlin氏らは当初のアシクロビル静注が完了した後にアシクロビルを経口投与する抑制療法を6カ月間行うと、皮膚病変の再発が減り、中枢神経型の患者では生後12カ月の時点の神経発達の転帰が改善することを明らかにした。論文は、NEJM誌2011年10月6日号に報告された。

 全身型の新生児HSV感染症患者はその約30%が死亡するが、生存者で神経学的障害を呈する小児は20%にとどまる。一方、中枢神経型の患者では、死亡は6%と少ないが、生存者の約70%が生涯続く神経学的障害を背負うことになる。皮膚、眼、口唇に症状がある表在型の患者は死亡とは無関係で、神経学的な異常もまれにしか見られない。

 HSVは感覚神経節に潜伏感染し、周期的に活性化して限局性の再発を引き起こす。脳でもHSVの再活性化が起こるかどうかは明らかではないが、起こるとすればその後の神経学的転帰に影響する可能性がある。

 再発性の口唇ヘルペスと性器ヘルペスについては、抗ウイルス薬を用いた抑制療法が再発予防に有効であることが示されている。著者らは、新生児HSV感染患者に同様の抑制療法を適用し、有効性と安全性を偽薬と比較するフェーズ3試験を実施した。

 1997年8月から2008年4月まで、2件の二重盲検無作為化試験(CASG 103、CASG 104)の患者登録を行った。いずれも対象は生後28日以内に発症したHSV感染確定新生児で、CASG 103試験は中枢神経型の患者(中枢神経型と同様の症状を示す全身型の患者も含む)を、CASG 104試験は表在型の患者を登録した。

 表在型の患者には14日間、中枢神経型の患者には21日間アシクロビルの静脈内投与を行い、終了した小児を無作為にアシクロビル抑制療法(300mg/m2のアシクロビルを、1日3回6カ月間経口投与)または偽薬に割り付けた。皮膚病変再発時には一時的にオープンラベルで治療を行った。皮膚病変の再発が2カ所になった患者については、割り付けた治療を中止して、オープンラベルでアシクロビルを投与した。

 主要エンドポイントは、生後12カ月の神経発達状況、2次エンドポイントは、生後12カ月までの皮膚病変2カ所の再発などに設定。神経発達状況は、Bayley乳幼児発達尺度の精神発達指標(50~150で平均は100、高いほど神経学的発達良好を意味する)を用いて評価した。

 74人を登録。45人が中枢神経型(うち8人は全身型で中枢神経症状あり)、29人が表在型の患者だった。中枢神経型患者のうち24人がアシクロビル、21人が偽薬に(うち全身型患者は3人がアシクロビル、5人が偽薬)、表在型患者では15人がアシクロビル、14人が偽薬に割り付けられた。

 中枢神経型患者のうち39人(87%)、表在型患者の26人(90%)が6カ月の治療を完了、または皮膚病変の再発が2カ所になり、割り付け治療が中止された。

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