日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
早期乳癌の術後ゾレドロン酸投与、無増悪生存率などの向上見られず
無作為化フェーズ3試験AZUREの結果

 早期乳癌患者の術後にビスホスホネート製剤を投与すると再発率と死亡率が低下すると報告されている。だが、英Sheffield大学のRobert E. Coleman氏らが、ゾレドロン酸ゾレドロネート)投与が早期乳癌患者の無増悪生存率や全生存率に及ぼす影響を調べる無作為化フェーズ3試験を行ったところ、顎骨壊死のリスクに優る利益は見られなかった。ただし、閉経から5年超の女性患者については、5年全生存率などの向上が認められた。論文は、NEJM誌電子版に2011年9月25日に掲載された。

 著者らは、ステージ2または3の早期乳癌患者を対象に、標準的な術後補助療法にゾレドロン酸を追加した場合に臨床転帰が向上するかどうかを調べるAZURE試験を実施した。

 患者登録は、03年9月から06年2月まで、7カ国の174施設で行われた。18歳以上で、Karnofskyスコアが80以上、組織学的に腋窩リンパ節転移陽性(N1)が確認された、またはT3-T4と判定された乳癌の患者で、腫瘍の全摘が指示された女性3360人を登録。標準的な術後補助療法+ゾレドロン酸(1681人、以下介入群)または標準的術後補助療法のみ(1679人、以下対照群)にオープンラベルで割り付けた。

 ゾレドロン酸は割り付けから5年後まで投与した。当初は3~4週ごとに6回静脈内投与し、その後は3カ月ごとに8回、それ以降は6カ月ごとに5回投与。腎機能に異常が認められた場合には用量調整を行った。1回以上ゾレドロン酸の投与を受けた患者は1665人(99.0%)だった。

 主要エンドポイントは無増悪生存率に設定。2次エンドポイントは、全生存率、Steepガイドラインに基づく浸潤性再発(対側乳房の癌や遠隔転移、二次癌なども含む)なしの生存率などとした。

 この試験は、再発または死亡が940件発生した地点で主要エンドポイントに関する分析が行われる設計になっていた。だが、イベント発生が752件の時点で実施された中間解析における無益性解析により、この試験でゾレドロン酸の利益が有意になる可能性が否定されたため、データ安全性監視委員会はデータの速やかな公表を促した。この論文は、その時点までに得られたデータを分析した結果を報告している。

 データ収集を終了した2010年10月18日までの追跡期間の中央値は介入群が59.3カ月、対照群は58.6カ月だった。

 5年の時点で介入群の76.9%、対照群の77.1%が再発なく生存していた。再発または死亡した患者は377人と375人で、無増悪生存率は両群共に77%、対照群と比較した介入群の調整ハザード比は0.98(95%信頼区間0.85-1.13、P=0.79)になった。

 5年の時点の浸潤性再発なしの生存率にも有意差は見られなかった。イベント発生は介入群が404人、対照群が403人で、調整ハザード比は0.98(0.85-1.12、P=0.73)。

 遠隔転移が認められた患者のうち、骨転移が発生した女性は、介入群が108人、対照群が122人で、両群の差は有意ではなかった。

 5年全生存率は、介入群85.4%、対照群83.1%で、調整ハザード比は0.85(0.72-1.01、P=0.07)だった。

この記事を読んでいる人におすすめ