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NEJM誌から
ワルファリン適用可の心房細動でも、アピキサバンがワルファリンに優る効果
脳卒中または全身性塞栓症が2割減少、ARISTOTLE試験の結果

 ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬が適用可能な心房細動患者において、ワルファリンと第Xa因子直接阻害薬アピキサバンの有効性を比較した無作為化試験ARISTOTLEの結果が、NEJM誌電子版に2011年8月28日に掲載された。著者である米Duke大学のChristopher B. Granger氏らは、アピキサバン群では、ワルファリン群に比べ、脳卒中または全身性塞栓症が21%、大出血が31%、全死因死亡は11%少ないことを明らかにした。

 ワルファリンのようなビタミンK拮抗薬は心房細動患者の脳卒中予防に有効だが、治療域が狭く、出血リスクがあり、他の薬剤や様々な食物との相互作用が知られているため、モニタリングが欠かせない。

 アピキサバンは経口投与できる第Xa因子直接阻害薬で、脳卒中または全身性塞栓症の予防においてワルファリンと同等または優る効果を持つことが示されている。ワルファリンが適用できない心房細動患者に投与した場合のアピキサバンの利益は既に示されていたため、著者らは、ワルファリンが適用可能な心房細動患者で、脳卒中危険因子を1つ以上保有する人々を対象に、ワルファリンとアピキサバンの有効性と安全性を比較する二重盲検のダブルダミー非劣性試験ARISTOTLEを実施した。

 06年12月19日から10年4月2日まで、39カ国の1034施設で、脳卒中の危険因子(75歳以上、脳卒中/一過性脳虚血発作/全身性塞栓症のいずれかの既往あり、過去3カ月以内に症候性の心不全ありまたは左室駆出分画が40%以下、糖尿病、薬物療法が必要な高血圧)を1つ以上保有する心房細動または心房粗動の患者1万8201人(年齢の中央値は70歳)を登録。9120人をアピキサバンに、9081人を用量調節ワルファリンに割り付けた。アピキサバンは5mgを1日2回を基本とし、80歳以上、体重が60kg以下、血清クレアチニン値1.5mg/dL以上のいずれかが当てはまる患者には2.5mgを1日2回とした。ワルファリン群にはワルファリン2mg錠を使用し、プロトロンビン時間の国際標準化比(INR)の目標値は2.0~3.0とした。

 主要エンドポイントは、脳卒中(虚血性脳卒中、出血性脳卒中、分類不能な脳卒中)または全身性の塞栓症を合わせた複合イベントに設定。ワルファリンに対するアピキサバンの非劣性は、相対リスクに関する片側検定の99%信頼区間の上限が1.44より小さく、片側検定の95%信頼区間の上限が1.38より小さい場合とした。非劣性が確認された場合は複合イベントについて優越性を検証するとした。また、ISTH基準に基づく大出血の発生率と全死因死亡率についても優越性を評価した。分析はintention-to-treatで行った。

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