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NEJM誌から
アジスロマイシン追加でCOPDの増悪リスクが3割低下
米国での無作為化試験の結果

 増悪リスクの高い慢性閉塞性肺疾患COPD)患者に対し、通常の治療に加えてマクロライド系抗菌薬のアジスロマイシンを1年間投与した大規模無作為化試験で、アジスロマイシン群では、偽薬群に比べて増悪リスクが約3割低下することが分かった。米Colorado大学Denver Health Sciences CenterのRichard K. Albert氏らが、NEJM誌2011年8月25日号に報告した。なお、現時点では、この治療が抗菌薬耐性菌の出現や定着に与える影響は明らかではない。

 COPDの増悪はQOLの低下を招き、死亡リスクを高める。吸入ステロイド、長時間作用型β2刺激薬、長時間作用型抗コリン薬は急性増悪の頻度を下げるが、それらを使用していても増悪が完全になくなるわけではない。

 マクロライド系抗菌薬は、炎症性の気道疾患の患者に投与すると、抗菌作用とは別に、免疫系の炎症細胞に働きかけて抗炎症作用を発揮することが示唆されている。

 そこで著者らは、増悪リスクは高いが、聴覚障害、安静時頻脈は認められず、明らかな補正QT延長リスクを示さないCOPD患者を対象に無作為化試験を行い、アジスロマイシンがCOPDの増悪頻度を減らせるかどうかを調べることにした。

 米国内17施設で、06年3月から10年6月30日まで試験を行った。40歳以上のCOPD患者計1577人のうち、条件を満たした1142人(72%)を登録、無作為にアジスロマイシン250mg/日(570人)または偽薬(572人)に割り付け、通常の治療に加えて1年間投与した。

 主要エンドポイントは初回の急性増悪までの時間、2次評価指標はQOL(SF-36)、特定の呼吸器病原体の鼻咽頭への定着などに設定した。

 1年間の追跡を完了した患者の割合は、アジスロマイシン群が89%、偽薬群が90%だった。試験期間中に一度も受診しなかった患者を除いたアジスロマイシン群558人(平均年齢65歳)と偽薬群559人(66歳)を対象に、intention-to-treat分析を行った。

 初回増悪までの時間の中央値は、アジスロマイシン群が266日(95%信頼区間227-313日)、偽薬群は174日(143-215日)(P<0.001)。偽薬群と比較したアジスロマイシン群の1人-年当たりの急性増悪のハザード比は0.73(0.63-0.84、P<0.001)になった。ベースラインの年齢、FEV1、喫煙歴、性別、登録施設で調整してもアジスロマイシンの優越性は変化しなかった。

 1人-年当たりの増悪の発生率はアジスロマイシン群が1.48、偽薬群が1.83で、率比は0.83(0.72-0.95、P=0.01)。急性増悪を1件回避するための治療必要数(NNT)は2.86になった。

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