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NEJM誌から
2型糖尿病のあるCKD患者の腎機能維持にバルドキソロンメチルは有効

 2型糖尿病に関連する慢性腎臓病CKD)は、腎不全の主な原因だ。慢性的な炎症と酸化ストレスがこの病気の進行に関係していることから、米Renal AssociatesのPablo E. Pergola氏らは、抗炎症、抗酸化作用が期待されるバルドキソロンメチルをこうした患者に適用する二重盲検の無作為化フェーズ2試験を行った。この結果、同薬は推算糸球体濾過量(eGFR)を持続的に改善する効果を持つことが明らかになった。論文は、NEJM誌2011年7月28日号に掲載された。

 臨床開発の後期にある経口薬バルドキソロンメチルは、多様な抗酸化因子と解毒因子の産生を調節している転写因子Nrf2(NF-E2 related factor2)を活性化する。Nrf2の活性化は、抗酸化因子の誘導、炎症性サイトカインの産生抑制などを介して組織を炎症から保護する。こうした機序から、同薬は2型糖尿病でCKDの患者の腎機能の維持に有用ではないかと考えられてきた。

 バルドキソロンメチルをCKDと2型糖尿病を合併している患者に8週間投与したフェーズ2試験では、好結果が得られているが、長期投与の影響と用量反応関係を調べた研究はなかった。そこで著者らは、同様の患者にこの薬剤を52週間投与するBEAM試験を行うことにした。

 米国内43施設で患者登録を実施した。2型糖尿病で中等症から重症のCKD(eGFRが20~45mL/分/1.73m2)の成人患者227人(平均年齢67歳)を登録し、標準的な治療に加えて、偽薬(57人)、バルドキソロンメチル25mg(目標用量、57人)、同75mg(57人)、同150mg(56人)のいずれかに割り付け、1日1回、52週間投与した。用量調整は当初8週間かけて行った。

 主要アウトカム評価指標はベースラインからの24週までのeGFRの変化とし、2次評価指標は52週までのeGFRの変化に設定した。

 ベースラインのeGFR値の平均は32.4±6.9mL/分/1.73m2だった。血糖管理は全体として良好だった。98%の患者がアンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬、またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、もしくはそれら両方を使用していた。残りの2%の患者はこれら薬剤に対して不忍容だった。

 52週時点で、服用していたバルドキソロンメチルの用量が割り付けられた用量に達していた患者は、25mg群の81%、75mg群の42%、150mg群の25%だった。

 ベースラインからのeGFR値の変化を経時的にみると、4週時点で介入群は3群とも偽薬群に比べ有意に高い値を示し、12週時に最も高値となった。それ以降も、52週時まで偽薬群との差が有意になる値を維持していた。

 24週の時点でベースラインからのeGFRの上昇幅を偽薬群と比較すると、25mg群では8.2±1.5mL/分/1.73m2大きく、75mg群では11.4±1.5mL/分/1.73m2、150mg群は10.4±1.5mL/分/m2大きかった(全ての比較においてP<0.001)。25mg群と75mg群を比較すると、上昇幅の差は有意だった(P=0.04)が、75mg群と150mg群の差は有意ではなかった(P=0.54)。

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